昨季首位打者が今季は苦戦…打率.252の打撃不振
■千葉ロッテ 8-1 埼玉西武(17日・メットライフ)
埼玉西武は17日、本拠地メットライフドームで行われた千葉ロッテ戦に1-8で大敗。カード3連勝を逃した。先発の内海哲也投手が4回5安打2四球4失点(自責点2)でKOされ、今季2敗目(1勝)。女房役の森友哉捕手の連続エラーが痛かった。
2回の守備で無死二塁から、菅野の送りバントを森がファンブル(失策)。無死一、二塁となり、続く岡の送りバントも捕前に転がり、森は今度は三塁へ悪送球して、先制点を献上した。さらに1死二、三塁から柿沼にスクイズを決められ、2点目を失った。
内海は3回にマーティンに21号ソロ、4回にも角中に左中間を破る適時二塁打を浴び、68球で降板。「せっかくチャンスをもらっているのに、このような形で交代してしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいです」とうなだれた。内海にとって千葉ロッテは今月2日の対戦で5回無失点に抑え、巨人から移籍後初勝利を挙げた相手だったが、2度続けて快投とはいかなかった。埼玉西武は打線も、千葉ロッテ先発の岩下の前に沈黙し、9回に源田の適時二塁打で初完投初完封を免れるのが精いっぱいだった。
攻守に精彩を欠き、負のスパイラルにはまっているのが森だ。昨季打率.329で首位打者に輝いた25歳が、今季はこの日まで.252の大不振。本来は不動の正捕手だが、9月に入ってから15試合中8試合でスタメンを外れている。前日16日には、1軍登録のまま2軍戦にDHで出場し調整を図ったが、この日も4打数ノーヒット。森がスタメンの試合は4連敗となった。
森は8月27日の北海道日本ハム戦で、途中からマスクをかぶって逆転を許し、9回に山川が再逆転のサヨナラ打を放つと、人目をはばからず号泣。精神的に追い込まれている様子もうかがえた。今年から新選手会長に就任した立場もある。
辻発彦監督は森について「あいつには心身ともに復活してもらいたい。打力の面でウチには絶対に必要な選手。他のキャッチャーを使うのは簡単だが、いろいろ克服しながら、キャッチャーとして成長していかなければならない」と期待を寄せた。「イケイケドンドンでいければいいが、捕手というポジションはピッチャーが打たれれば、いろいろ書かれたりするし、そうはいかない」と同情した。確かに、強打の捕手の復活なしに、Bクラス低迷中の2年連続パ・リーグ覇者の浮上はおぼつかない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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