“定位置"にじわりと近付いてきた。福岡ソフトバンクが17日、楽天を下して4連勝。東浜投手が今季初勝利。代打策もはまり、逃げ切った。
狙っていたカーブを振り抜き、勝利を手繰り寄せた。7回、代打で登場した福田選手が右翼に今季1号。「何とか1点欲しいと思って打席に入った。入ってくれと願いながら走っていました」と、お立ち台で会心の一撃を振り返った。6回に今江選手、岡島選手と2本塁打が飛び出し、1点差に追い上げられていた嫌な流れの状況での一発。「もう1点あればというときの福田君の一発だった」と、代打策が的中した工藤監督もご満悦の表情だった。
相手先発の岸投手を、序盤から攻めた。2回、1死1塁、松田選手が左中間へ3号2ラン。「(亜細亜大の)後輩の東浜が、まだ勝ちがついていなかったので、点が取れて良かった。感触は良かったのでいったと思った」と、手ごたえ十分の当たり。“熱男"の一撃でヤフオクドームを沸かせると、3回1死1塁、柳田選手が3試合連続となる2ランを右翼へ突き刺して4点目を奪った。
先発の東浜投手は6回途中3失点。130球を要し、3四球と本来の姿ではなかったが、工藤監督は「勝つと気持ちも違うし、次への思いも違う」と、3試合目での今季初勝利を祝福した。
4連勝で貯金を3に伸ばし、連敗を喫した埼玉西武に2ゲーム差としたが、不安材料もある。9回、守護神のサファテ投手ではなく、モイネロ投手、森投手のリレーで逃げ切った。「ちょっと下半身に不安があるので、きょうは使いませんでした」と工藤監督。サファテ投手は15日の千葉ロッテ戦に9回に登板し失点。昨年、72試合に登板した岩崎投手は右ひじの手術による長期離脱中で、日本一の原動力となった中継ぎ陣が心配な状況だ。さらに6回2死3塁、この日3安打を放っていた三走の中村晃選手を交代。工藤監督は詳細を伏せつつ「大事になっていないことを祈るしかない」と、険しい表情を見せた。
ともあれ、4連勝で首位に迫ってきた常勝軍団。投手陣の不安は拭えないが、この日見せた3本塁打が象徴するように、頼もしき強力打線がカバーしてくれそうだ。
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