7回には3四球から2死満塁のピンチも3球三振斬り「ああいう場面を減らしていかないと」
■福岡ソフトバンク 4-0 オリックス(25日・PayPayドーム)
福岡ソフトバンクの千賀滉大投手は25日、PayPayドームでのオリックス戦で7回を無失点に抑え、5勝目をマークした。オリックス・山本由伸投手との今季2度目の投げ合いを制し、今季初めて7回を投げ切った。
前回登板の千葉ロッテ戦(18日、ZOZOマリン)では6回1/3を6失点。千賀は、チームに勝利をもたらすことができずに「自分の投球を見つめ直さないといけない」とまで語っていた。この日は、オリックスのエース山本との投げ合いとなり、互いに4回まで無失点という投手戦を展開した。
5回に2点の援護をもらうと6回も無失点。しかし、7回には3つの四球を出して2死満塁のピンチを背負った。これまで7試合に登板しながら最長イニングは6回2/3。どうしても超えられない7回の壁が、この日も千賀の前に立ちはだかった。それでも、気力を振り絞ってロドリゲスを連続のフォークで3球三振。ようやくエースが壁を超えた。
「球数もいつもより抑えられていたので、もっとスムーズに行けたら8回も(マウンドに)というところはありましたけど、まずは先発らしい仕事が初めてできたかなと思います。まだ責任感を出すほどのことを今年はやれていないので大きいことは言えませんが、次以降もこれをしっかり続けたいと思います」
そう話す千賀には少しだけ安堵の表情が見て取れた。自ら招いた大きなピンチを、気力で乗り越え「ちょっとずつ、ああいう場面を減らしていかないと先に進めない」と反省の言葉を語った千賀。その先に見据えるのは、9回完投というエースとしての仕事なのかもしれない。
共にお立ち台の川瀬に「目を合わせるたびに一緒に頑張ろうと言ってきたので」
「自分の投球を見つめ直さないといけない」と語った千葉での投球から1週間。その間に千賀の大きな力となったのが、和田毅投手の存在だ。
「この1週間は和田さんが僕のために時間を使ってくれました。話もできましたし、やってきた人間だからこその悩みやズレだったりを理解してくれて、気持ちが楽になった」という千賀。「いい時間をくれたと思います」と、ベテラン左腕に心から感謝した。
また、一緒にお立ち台に上がったのは川瀬晃内野手。前々回の登板の際、大きな失点につながるエラーを犯したが、この日は8回に千賀の白星をより近づける2点打で貢献。第1打席ではオリックス・山本から12球粘った末にヒットを放っている。
「いい味を出してくれましたね」と川瀬の活躍に目を細めながら「ヒカルとは、目を合わせるたびに一緒に頑張ろうと言ってきたので。僕はもう(今週は)投げないですけど、ヒカルはまだ試合があるので、使ってもらう立場から使いたい立場になってくれたらいいなと思います」と、かわいい後輩を思いやっていた。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)
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