今年は特別な鷹の祭典に。テーマは「THANKS HEROES」
福岡ソフトバンクホークスは11日、オンライン会見を実施し「鷹の祭典2020」専用ユニフォームデザインを発表。今季は「S15(サァイコー!)イエロー2020」と名付けられたベースカラーの特別ユニフォームで計8試合を戦うこととなった。
今年は例年の3カ月遅れで開幕、その約1カ月後に観客動員が始まった。いまだ収束の兆しを見せない新型コロナウイルス、さらに熊本南部を中心に九州全域に甚大な被害をもたらした豪雨の発生。選手たちは、これまでに経験したことのない特別な環境下で戦うなかで「鷹の祭典をただのイベントではなく、社会貢献型のイベントにできないか?」と発案したという。球団も快諾し、特別ユニフォームデザインには感染拡大防止の決意と医療従事者への感謝の想いを込めた。
会見に登壇した今宮健太選手は「まずは、このような状況の中で野球ができること、その環境を作ってくれた医療従事者・関係者の皆様に感謝の気持ちを伝えたいです」と想いを述べると「今年は特別な鷹の祭典になるように、選手会が動いて球団が受け入れてくれたことに感謝しています。
僕たちは野球しかできない人間ばかり。微力ながらでも、見ている皆さんに勇気や希望、感動を与えられるように選手一同、全力でプレーしていきたいと思います」と意気込みを語った。
16年続くホークス夏の一大イベント「鷹の祭典」とは?
今では、多くの球団が行う来場者へのユニフォームプレゼントだが、その始まりは「鷹の祭典」にあった。イベントの初年度は2004年。ホークスは「選手と同じユニフォームをファン全員が身に付け、球場全体に一体感とワクワク感を醸成する」という想いのもと、試合で選手が着用するユニフォームのレプリカを来場者に配布するという、それまでの日本球界では考えられなかった取り組みを行った。
イベントは大きな反響を受け、1試合のみで始まった初年度から、2006年には3試合に増え、その後も試合数が増加。福岡はもちろん北九州、東京、そして大阪と4つの都市で開催されるまでになり、全国にいるホークスファンが楽しめるイベントとなった。イベント開催期間になると、福岡の街中や名所には選手ビジュアルなどが登場。百貨店やコンビニエンスストア、商店街などでも店員がユニホームを着用して接客し、福岡タワーがその年の鷹の祭典カラーに染まるなど、福岡中が「鷹の祭典」一色になる。こうして、夏の一大イベントとして「鷹の祭典」は定着していったのだった。
「鷹の祭典2020」ユニフォームは「S15イエロー2020」
2004年はホームユニフォーム、2005年には本拠地で着用することのないビジターユニフォームを選手が着用し、それぞれのユニフォームを来場者に配布した。そして、2006年に初めて「鷹の祭典」用のスペシャルユニフォームを製作。これまでに「玄界灘ブルー」「カチドキレッド」「チャンピオンブルー」「ブイブイグリーン」「ガッツパープル」「熱男レボリューションイエロー」など様々なカラー使用してきたが、今年は「S15イエロー2020」と名付けられたカラーを使用。
ホークスのシンボルカラーである「レボリューションイエロー」より、さらに明るい「S15 イエロー2020」には、人々を元気づけ、より前向きに世の中を明るくしていきたいという強い決意が込められ、袖やキャップに使用しているブルーには、医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの方々への感謝の気持ちを込めている。
今年の「鷹の祭典」は、9月12、13日の埼玉西武戦を皮切りに、18日から20日までの楽天3連戦、22日から24日までのオリックス3連戦の計8試合で実施。来場者へのユニフォーム配布はもちろん、福岡県内の医療従事者の方々へ17万着のユニフォーム贈呈や、球場内外でさまざまな感染予防啓発活動を計画中とのことだ。福岡のHEROであるソフトバンクホークスの選手たちが発案した「特別な鷹の祭典」。選手たちが、チームとファン、みんなが一体となって戦っていく意気込みを表現したユニフォームを纏い、思いを込めてグラウンドで戦う姿は、多くの人の明るい希望となってくれるに違いない。
文:池田紗里
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