リーグ優勝を決めた時の存在感は、「2016 日本通運 クライマックスシリーズ パ」(CS)の舞台でも健在だった。北海道日本ハム・大谷選手が12日、ファイナルステージの初戦に先発し、福岡ソフトバンク打線を7回1安打無失点に抑え勝利に貢献。日本シリーズ進出へ向け、スタートダッシュに成功した。
千葉ロッテに連勝で勝ち上がってきた福岡ソフトバンクを相手に、圧巻の投球内容だった。4回1死、内川選手に二塁打を打たれた以外は、強力打線を沈黙させた。対外試合での前回登板は優勝を決めた9月28日の埼玉西武戦以来。投手専念だった埼玉西武戦とは違い、この日は「8番・投手」で“本職"の二刀流出場だ。9回1安打完封だった埼玉西武戦に続き、この日も1安打投球。大舞台での強さを聞かれ「もともと弱かったので、それが役に立っている」と振り返ったヒーローインタビューだったが、まさに「圧倒」という言葉が似合う内容だった。
大谷選手の好投は、打線にもいい流れをもたらす。5回無死1,2塁、大野選手の犠打が相手先発・武田投手の失策を誘う。無死満塁となると、まずは西川選手の中前への2点適時打で先制する。さらに1死2,3塁で近藤選手が中前に2点適時打。そして、武田投手を引きずり下ろしたのが主砲の中田選手。左中間へ圧巻の2ラン。絶叫とガッツポーズでダイヤモンドを一周し、スタジアムのボルテージも高めた。
大量得点のきっかけを作ったのは「打者・大谷」。この回の先頭、レアード選手のフェンス直撃打に続く中前打を放った。「レアードがいい形で出てくれたので、ここが勝負どころだと思って初球から狙いました」と打者としての打席を振り返り、「(西川)遥輝さんにも大事なところで(先制の)ヒットを打ってもらいましたし、中田さんの2ランも僕を楽に投げさせてくれた」と先発投手として打線に感謝した。
リーグの優勝チームとして、すでにアドバンテージがあるため、この日の勝利で、日本シリーズ進出まであと2勝とした。もちろん13日以降は「打者・大谷」に注目が集まる。先発を務めた翌日への意気込みを聞かれ「打席で何とか増井さんを援護できるように頑張ります」と、自ら出場を宣言した。
セ・リーグもリーグ覇者の広島が先勝。どちらの試合も相手を無失点に抑える快勝劇だった。波乱なく、両軍がこのまま日本シリーズへ突っ走るか。パ・リーグでは、打者・大谷選手が今後のカギを握りそうだ。
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