「恋する所沢。」~メラドで春恋、ありよりのあり~

パ・リーグ インサイト

2018.4.27(金) 19:00

写真【パ・リーグインサイト編集部】イラスト【出内テツオ】(C)PLM
写真【パ・リーグインサイト編集部】イラスト【出内テツオ】(C)PLM

 「パ・リーグ.com / パーソル パ・リーグTV」でインターンをしている大学生・Nくんは、熱心な埼玉西武ファン。そのくせ、8カ月も付き合っている彼女と球場に行ったことがない。

 それを聞いた「パ・リーグインサイト」編集部。「自分だけが楽しんでしまいそう…」とか言っているので、これは都合がいいとばかりに、埼玉西武ライオンズさまにご協力いただき、初・野球観戦デートロケを企画。「恋する所沢。~メラドで春恋、ありよりのあり~」と題し、密着取材させてもらうことにした。

第一関門:勇気を振り絞り、彼女を球場へ誘う

 勝負の時は、観戦予定のひと月ほど前。編集部に押し切られたNくんの提案に、彼女のMちゃんは二つ返事でオッケーをくれたらしい。(Nくんはライオンズブルーの血が流れていることを隠していないから、たぶんMちゃんが気を遣ってくれたのだと思う)

 ちなみに編集部は、18歳のときからインターンをやってくれているNくんの彼女の本当の名前を、このあたりで初めて知った。Mちゃん自身は野球への関心も知識もゼロらしい。

 顔を知っている野球選手はイチロー選手くらいだし、攻守交替のタイミングも分からないと言う。なんてかわいい女子大生なのだろう。編集部には、千葉ロッテの加藤選手の涙袋に執着していたり、ベースコーチが走者の身体に触れる反則行為「肉体的援助」の語感に爆笑していたりするような女性しかいない。

 とりあえず編集部は、NくんにMちゃんのことを聞きながら「恋する所沢。~メラドで春恋、ありよりのあり~」に向けたデートプランを練った。コンセプトは「野球を知らなくても球場デートは楽しめる」、「球場はインスタ映えする」だ。

(C)PLM
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予習は完璧。待ち合わせ、そして球場へ

 当日。NくんとMちゃんは午前10時ごろに池袋駅で集合し、いざ埼玉県所沢市上山口。その日の対戦相手はたまたま福岡ソフトバンクだったのだが、それが判明したときの編集部とNくんはちょっとだけ頭を抱えた。鷹が獅子につけた心の傷は深いのだ。

 40分ほどの道中では、Mちゃんの希望を聞いて前もって購入しておいた選手名鑑をめくりながら、これから観戦する試合の予習をしたようだ。前日まではMちゃんが「この本読むと眠くなる」なんて言っていたことを、Nくんから聞いていた編集部。一安心。

 なおMちゃんが唯一カッコイイと言ったのは福岡ソフトバンクの松田宣浩選手だった。彼はとてもいい匂いがします。11時前、メットライフドーム最寄り、西武球場前駅に到着。

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 まずNくんとMちゃんは球団のご厚意で、ホーム練習見学会に参加。

 三塁側フィールドビューシート最前列に座り、目の前で練習している選手1人1人を指さしながら紹介するNくんと、うんうんと聞いているMちゃん。編集部は内心興奮しているだろうNくんを、至近距離でウロウロしながら見守る。

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 練習見学の後は一旦球場を出て、駅前に並ぶグルメワゴンで昼食。2人は「竜鳳」の焼き鳥と、「chocomon」の「光成のWチョコバナナ」クレープに舌鼓を打つ。写真は自撮りだ。青空とメットライフドーム外観も入っている。インスタ映え。

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ショップでミニフラッグ、タオルを購入し着席

 お腹がくちくなったら、Nくんは家から持ってきたユニホームをMちゃんに渡す。Nくんは秋山翔吾選手の背番号・ネーム入りの炎獅子。Mちゃんは背番号のないホームユニだ。「ライオンズストア フラッグス」でも、ミニフラッグと栗山巧選手のタオルを購入して、いよいよドームのゲートをくぐる。パパラッチよろしく尾行する編集部。

 座席は3塁側ベンチサイドシート。ちょうどスタメン発表が始まった。「1番・センター、秋山翔吾!」。買ったばかりのフラッグを振る2人を視界に入れ、編集部もひと息つく。

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 プレイボール。埼玉西武は新外国人・カスティーヨ投手が、初の先発マウンドへ。普段なら黙って見入っているだろうNくんだが、「ストライクを3つとるとアウト」「アウトが3つで攻守交替」と、Mちゃんにルール説明を施していた。

 3回が終わると、ここで一旦小休止。2人は席を離れて「L’sCRAFT」へ。

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突然訪れた、メインイベント級の…

 メットライフドーム名物のコロラドピザを買い、森友哉選手のソロなどで埼玉西武が2対0とリードする中、アツアツのピザを頬張る。

 そして6回表終了後は、日本の球場では非常にめずらしいイベントが行われる。オーロラビジョンに映された男女はキスをしなければならない「KISS CAM」だ。大体想像は付くと思うが、こちらも球団にご協力をいただき、NくんとMちゃんの顔はばっちり大画面に抜かれた。

 うろたえるMちゃんの髪をかきあげて、ほっぺたにキスをするNくん。「よくやったぞ」とNくんの本名を叫びながら、マルチアングルで決定的瞬間を激写する編集部。両チームのファンからも、初々しいカップルにあたたかい拍手が送られた。

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試合後、気になるMちゃんの感想は…

 7回表に1点を返されたものの、2対1とリードしている埼玉西武。7回裏、ジェット風船を空高く飛ばすラッキーセブンの演出はやはり美しいので、ぜひ球場で体感してほしい。

 そして1点リードのまま、9回を守護神・増田達至投手が締め、試合は埼玉西武の勝利で幕。ビクトリーバルーンを飛ばし、球場全体と勝利の瞬間を分かち合う。

 また、メットライフドームといえば「AFTER THE GAME」と称してグラウンドに降りることができるのが魅力の1つ。試合終了後すぐ、少し前まで選手がプレーしていた芝生に降りて、Mちゃんは「走りやすい!」とご満悦だったそうだ。

 駆け回ったり、寝転がったりと思う存分楽しみ、野球観戦デートの密着取材は終了。編集部は2人を解放した。帰り道、Nくんが今日の感想を尋ねると、Mちゃんは「楽しかった! また来たい!」と答えてくれたそうで、「デートの失敗で2人の仲に亀裂が入る可能性」に戦々恐々としていた編集部としてはうれしい限りである。

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球場デート、ありよりのあり…?

 2人で過ごせるなら、場所なんかどこでもいいし、何でもいい。それはそうなのだろうけど、付き合い始めてしばらく経ち、一通りのデートスポットを楽しんだカップルには、また新鮮な感動をもたらしてくれる野球観戦デートをおすすめしたい。

 試合だけでなく、おいしいグルメや体験イベントも楽しめば、他のデートスポットに勝るとも劣らない時間を過ごせるはず。チケット代もコンサートやライブに比べれば安価で、デーゲームならアフターの楽しみも無限大だ。現地で体感するホームラン、応援の迫力には驚くこと間違いなし。デートスポットのひとつとして、ぜひ候補に入れてもらいたい。

 運動にもなるし。

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