2018年は稀代のスラッガーにとって記録ずくめの1年に。中村剛也が3つの大記録に挑む

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2018.4.9(月) 20:48

近年は故障に苦しんでいるが…

2018年、獅子が誇る稀代のホームランアーティスト・中村剛也選手が3つの大記録に挑む。

大阪桐蔭高校から2001年ドラフト2位で西武(現・埼玉西武)に入団した中村選手は、4年目の2005年に22本塁打を放ってブレイク。「おかわりくん」の愛称とともに一躍全国区となる。2008年には46本塁打で自身初の本塁打王のタイトルを獲得し、チームの日本一にも大きく貢献したが、それは彼の輝かしいキャリアのまだ序章に過ぎなかった。

翌2009年は打率.285、48本塁打、122打点というキャリアハイの成績で、本塁打王と打点王の2冠。その後も球界を代表するスラッガーとして君臨し続け、通算6度の本塁打王、3度の打点王を獲得した。

しかし、過去2年間は故障に悩まされたこともあってその本領を発揮できず。昨季は山川選手の台頭で下位打線に回ることも多くなり、「規定打席に到達したシーズンは必ず本塁打王」というジンクスも途切れた。それでも27本塁打を放って意地を見せたが、長年4番を務めてきた男にとっては不満の残る1年となってしまった。

当然ながら中村選手も新たなシーズンに巻き返しを期しているはずだが、先述の通り2018年は中村選手にとって3つの大台が間近に迫る1年でもある。ここからはそれらの記録についての紹介を挟みつつ、達成の可能性について探っていきたい。

稀代のスラッガーが挑む3つの大記録

まずは過去190人が達成している通算1500試合出場だ。中村選手はこれまでのプロ生活で通算1440試合に出場しており、達成まであと60試合。大きなケガさえなければ、達成の可能性は非常に高いと言えるだろう。

昨年4月には、同い年の同期である栗山選手が通算1500試合出場を達成した。多くのケガによって出場試合数ではやや遅れをとってしまったが、中村選手は長年にわたって苦楽を共にしてきた盟友に続くことができるだろうか。

続いては過去44人しか達成していない通算1000打点。中村選手は通算971打点を稼いでおり、達成まで残り29打点に迫っている。こちらも長期の離脱を強いられる事態にさえならなければ、達成はほぼ確実と見ていいはずだ。

生え抜き選手として通算1000打点を達成すれば、中村選手が球団史上初のケースとなる。埼玉西武一筋で奮闘を続ける中村選手にとって、安打以上にチームの勝利に直結する打点の記録はより大きなものと形容できるかもしれない。

そして、過去にわずか18人しか達成しておらず、球史に残る強打者の勲章ともいえる通算400本塁打を、今季中に達成できる可能性も。通算357本塁打の中村選手は大台まで残り43本だ。好調時のバッティングを取り戻せば、決して不可能な数字ではない。

昨季は若手の台頭によって2位躍進を果たし、今季も開幕から無傷の8連勝と、驚異的な強さを見せ付けている埼玉西武だが、中村選手が完全復活を果たすことができれば自慢の強力打線にもさらなる厚みが加わるはず。

先述した3つの大台を通過点として、今後見据えるさらなる大記録への布石とできるか。プロ17年目を迎える中村選手にとって、今シーズンは重要な1年となってきそうだ。

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パ・リーグ インサイト 望月遼太

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