152キロの直球を武器に開幕一軍へ。埼玉西武ドラ3・19歳右腕「球速に関してはまだ伸びる」

Full-Count 篠崎有理枝

インタビューに応じた埼玉西武・伊藤翔投手
インタビューに応じた埼玉西武・伊藤翔投手

埼玉西武ドラ3・伊藤翔投手インタビュー後編

四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスからドラフト3位指名を受け埼玉西武に入団した伊藤翔投手。

千葉県の横芝敬愛高を卒業後、最短でのプロ入りを目指し独立リーグへ進んだ。1年目の昨季、最速152キロの速球を武器にチームを独立リーグ日本一に牽引。そして見事に1年でプロ入りの夢を果たした。

オープン戦は5試合に登板し、7回2/3を投げてわずか1失点と好投。徳島では、阪神の2軍や、巨人、福岡ソフトバンクの3軍との交流戦を経験しているが、「1軍の選手は雰囲気が違う」と対戦した印象を話す。

それでも徳島では「1軍の選手を相手にどういうピッチングをしたら通用するかを研究していた」と振り返り、「後ろに引いたら進歩できない。自分らしいピッチングができないのは嫌だし、後悔が残る」と、強気な姿勢で挑んだ。

「徳島ではフューチャーズ(イースタン・リーグ混成チーム)との交流戦でも登板しましたが、自分のピッチングが全くできませんでした。3軍では振ってくれるボールを、2軍は振ってくれないし、簡単にファールにされました。『2軍でこれだから1軍では通用しない。まだまだ、だな』と常に考えていました。1軍のピッチャーはどういうボール投げているのか、テレビや動画を見て勉強もしていました。自分の方が実力も経験も下ですが、1軍で経験させていただいているので、後ろに下がる気はありません」

そんな度胸が魅力の19歳は、オープン戦での失敗で学んだという。3月14日の対中日戦、先発の菊池雄星投手が首の違和感を訴え初回で降板し、2回から急遽登板。しかし、先頭打者の平田良介外野手にレフト前ヒットを許すと、続く松井佑介外野手にデッドボール。

バントでランナーを進められた後、荒木雅博内野手にタイムリーヒットを打たれ、NPBで初の失点を喫した。この試合を振り返り、「自分の準備不足です。言い訳できません」と反省しきりだが「開幕前でよかった」とプラスに捉えている。

憧れは楽天・則本投手のストレート「あれ以上投げたいです」

「先発にアクシデントがあったときのために入っていたのに、準備不足が原因であんな風になってしまいました。でも、オープン戦で経験できたことは大きい。あの試合以来、シーズン中はいつ行っても自分のベストのピッチングができるように心がけています」

昨シーズン、それまで140キロ前後だった球速を10キロアップさせたが、これからも「球速にはこだわりたい」と力を込める。

「体ができてくれば、スピードも上がってくると思うので、球速に関してはまだ伸びると思っています。子供のときの理想のピッチャー像は、ストレートで空振りを取れるピッチャーでした。分かっていても打たれない。簡単に捉えられない。そんなストレートを投げられるようになりたいです」

憧れは、楽天の則本昂大投手だ。「則本さんのようなストレート投げたい」と言いかけて、「あれ以上投げたいです」と言い直した。入団時から目標としてきた「開幕1軍」を掴んだ19歳は、NPBの舞台でこれからどんな有言実行を果たしていくのだろうか。

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Full-Count 篠崎有理枝

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