昨季5位からの逆襲誓う栗山監督、「優勝することしか考えていない」
埼玉西武との開幕戦を翌日に控えた北海道日本ハムの栗山英樹監督が29日、昨季5位からの逆襲を誓った。
昨季投打の柱だった大谷翔平選手のほか、セットアッパーのクリス・マーティン投手、守護神の増井浩俊投手、大野奨太捕手が退団した。新布陣で臨む今季、指揮官が抱いているのは大きな希望だ。
「誰がいなくなったとか、こっちには(そういう意識が)全然ない。去年壊したものをどう建てていくのか、それしか考えてないから、すごくワクワクする」と笑みを浮かべた。
昨季後半から若手を積極起用して、今季の礎にしてきた。24歳の横尾俊建内野手が4本塁打を放つなど、オープン戦では12球団最多の25本塁打と打線の破壊力は増した。久々に重量打線が組める中、開幕戦オーダーについてはギリギリまで最善策を模索している。
菊池投手攻略へ「逆にやっつけたら波に乗れる」
開幕戦で対戦するのは、昨季最優秀防御率と最多勝の2冠に輝いた菊池雄星投手。昨季は3試合で3敗を喫した。
「逃げる意識はない。いいピッチャーに対してどう勝負するか。逆にやっつけたら波に乗れる。チャンスだな。行くぜ!」と指揮官は自らに気合を入れるように力を込めた。
菊池投手を叩いてスタートダッシュを思い描く。「プロ野球では20~30試合で勝つ形を探るところがあるけど、今年は最初から目一杯行く」と宣言した。昨年は開幕戦で菊池投手に敗れて開幕カードを負け越すと、一度も貯金を作れずに終わった。
今季は若いチームだけに、黒星先行で負の連鎖に陥るとさらに苦しくなる。「今年は落ちたくない。ギリギリのところで踏みとどまりたい。プラスαの力はこのチームが一番大きいから」。大きな借金をつくらずに戦いながら、選手たちの能力を引き出し、優勝につなげる。
選手に求めるのは、野球に向き合う姿勢だ。「どれだけ本気になれるか。本当に本気なれば、必ず前に進む。これだけチャンスの場がある。そんなチーム状況は(めったに)ないわけだから」と必死にポジションを奪い合うことでチーム力の底上げを期待する。
今季のチームカラーを問われると「戦い方を見てほしい」と静かに言った。「どこのチームよりもセンバツ甲子園の高校球児よりも、野球が好きで必死に暴れまわる。そういう姿だけは必ず見せます」。
そう約束した栗山監督は「優勝することしか考えていない」と2年ぶりのV奪還を見据えた。
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