ベテラン記者ブルーム氏が予想「打者としての成功はハードルが高い」
エンゼルスの大谷翔平選手はメジャー1年目のスプリングトレーニングを終えた。29日(日本時間30日)に敵地で行われる開幕戦アスレチックス戦を控える中、26日(同27日)ドジャース戦ではベテラン左腕ヒル投手からヒットを放つなど、徐々に調子を上げてきた。
注目の“二刀流"はルーキーシーズンでどんな成績を送るのか――。大谷選手に2度単独インタビュー経験を持つアメリカ人記者に、“打者・大谷"の今季展望を聞いてみた。
「ファンやメディアも今すぐという活躍を期待するが、オオタニとエンゼルスの契約は6年間ある。長期プロジェクトだ。だから、今すぐに活躍しなければいけないということではない。ファンもオオタニ自身も忍耐が必要だ」
こう語ったのはバリー・ブルーム記者だ。昨季までMLB公式サイトの名物コラムニストとして名を馳せ、大谷選手が北海道日本ハム時代に訪れたピオリアキャンプ中で2度単独インタビュー。今季からは米経済誌「フォーブス」のコラムニストに転身した。今季のスプリングトレーニングでも、足繁くエンゼルスと大谷選手の試合に足を運んでいた。
ピッチャー大谷選手の今シーズンについては「5勝8敗」という辛口予想だったが、バッター大谷選手についてはさらなる辛口ぶりだった。
「私は大谷の本塁打数について、投手としての勝ち星よりも少ないだろうと予想しているんだ。つまりホームランは5本未満だ。ドジャース戦でいいヒットを打ったけれど、たった1本で評価は変わらないよ。それが現時点での打者としての評価だ。チームとの約束はあるかもしれないけれど、しばらくすると、今シーズン打者として続けるのか選択の時期がやってくるかもしれない。打撃のメカニック部分にも修正が必要だろう。彼には投手として素晴らしい才能がある。性格も素晴らしい。私も彼を大いに気に入っている。投打どちらも仕上げるには、時間が必要だ」
打者・大谷選手を辛口評価「メジャーの好投手からほとんどヒットを打っていない」
大谷選手は北海道日本ハム時代の2016年に22本塁打を記録。故障で出遅れた昨季は8本塁打だったが、打率は.332という好成績を残している。だが、打者としてのメジャー1年目は苦境を迎えるだろうと、バリー氏は予想している。
「オープン戦の段階では、メジャーの好投手からほとんどヒットを打てていない。レッズのホーマー・ベイリー、コーリー・クルーバー(インディアンズ)、カーショー(ドジャース)もそうだ。本当に苦しい。そこから少しレベルを落とした投手にも苦しんでいる。この打率では厳しい。日本でヒット打つのとメジャーで打つのは明らかに事情が異なる。多くの野手が日本からメジャーにやってきたが、本当に活躍したのはイチローと松井(秀喜)だけだ。打者として成功するのは、よりハードルが高いんだ」
オープン戦では11試合で32打数4安打。打率は.125だった。昨年のワールドシリーズで奮闘したヒル投手からヒットを放ったが、メジャーのエース級、さらには一線級ではないレベルの投手にも大谷選手は対応できていないと見ている。
日本人で活躍した野手はマリナーズのイチロー外野手と元ヤンキースの松井秀喜氏という経緯から、打者・大谷選手が直面しているハードルの高さを指摘した。
「現時点で二刀流については議論にならない。なぜなら、まだまだ修正しなければいけない部分が多すぎる。今、経験している全てが、今後の彼にとってプラスになると思う」
名物コラムニストからの激辛エール。大谷選手はバットで不安の声を吹き飛ばすことができるだろうか。
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