
◆パ・リーグ ソフトバンク12―5オリックス(27日・みずほペイペイドーム)
試合後にソフトバンク・中村晃内野手の引退セレモニーが行われた。帝京(東京)の先輩・とんねるずの石橋貴明や、2007~17年までソフトバンクでコーチを務めた鳥越裕介(現西武ヘッドコーチ)らからのビデオメッセージが流れ、その後に中村晃が約15分間のスピーチで指導者や仲間、家族への感謝を述べた。王貞治球団会長、小久保裕紀監督、秋山幸二氏、工藤公康氏、帝京・前田三夫監督、2007年のドラフトで同期入団のオリックス・岩崎翔投手が花束を持って登場。場内を1周し、自身の背番号と同じく7度胴上げされた。
◆中村晃の引退スピーチ全文
このような素晴らしい1日を準備していただきました福岡ソフトバンクホークスの球団関係者の皆様、試合に協力していただきましたオリックスバファローズの球団関係者の皆様、そして、今日1日を最高に盛り上げてくださいましたファンの皆様。今日は本当にありがとうございます。
埼玉で生まれ育った私が、ここ九州、福岡ソフトバンクホークスにドラフトで指名をしていただいてから19年がたとうとしています。王会長の監督最終年でありました、2008年から私のプロ野球人生がスタートしました。
そこから秋山監督、工藤監督、藤本監督、そして小久保監督と。プロ野球界の、ホークスの、偉大な先輩方のもとでプレーできたこと。たくさんの素晴らしい経験ができたこと。本当に素晴らしい野球人生でした。歴代の監督さん、本当にありがとうございました。
小さい頃からここまで私に携わっていただいた全ての指導者の皆様、時には厳しく、時には優しく、愛のある指導をたくさんしていただいたからこそ、今日という日を無事に迎えることができました。指導者の皆様、本当にありがとうございます。
そして、チームメート。チームメートの皆さんにも本当に恵まれました。1軍の試合に出場することになってからは、8度のリーグ優勝、8度の日本一と、先輩、後輩、同級生。様々な立場のチームメートからたくさんの刺激を受け、ともに高みを目指し、優勝を目指して戦えたこと。何度も最高の景色をともに見られたこと。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。チームメートのみなさん、本当にありがとうございます。
スタッフの皆さん、チームスタッフの皆さんがいなければ、グラウンドでこんなにも多くプレーすることはできなかったです。いつも最高のコンディションを整えてくださり、最高のパフォーマンスを出せる状況をつくって送り出していただいたチームスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
そして、家族。野球に導いてくれた父、仕事が忙しくても、いつもサポートしてくれた母。明るくて、いつもたくさん応援をしてくれた姉。3人がいなければ、今、私がここに立っていることはなかったです。本当にありがとう。
私の第1のファンだと公言している妻と息子。2人には、本当にパワーをもらいました。昨年、今年と息子の手術があったり、付き添い入院があったりと、家族3人がそろうことはなかなかなかったですが、いつも試合の前には3人で撮った写真を見て力をもらって試合に臨んでいました。懸命に生きる息子と、それを支える妻のおかげで今日という日を迎えることができました。本当にありがとう。
19年を思い返すと長いようで、本当にあっという間だったと感じています。入団してすぐ、新人合同自主トレで近くで練習をされていた長谷川さんのバッティング練習に衝撃を受け、プロのレベルの高さに危機感を覚えたこと。2年目の終わり、オフには小久保さんにアリゾナへ自主トレに連れて行っていただきました。一流の練習。プロとはこういうものなのだと、身をもってたくさんの指導をしていただきました。入団してから早い段階で一流を知り、お手本となるような先輩方と出会えたことが今の私をつくっていると思います。本当にありがとうございました。
豪快なホームランが打てる訳でもなく、とんでもないファインプレーがある訳でもない。通算の成績を見ても、地味です。しかし、そんな私がこのプロ野球の世界で生き抜いてこられたのは、誰にも負けたくない。強いホークスで必ずレギュラーを取って活躍するんだと、強い気持ちを持ち続けて日々を過ごしてこられたからこそ、ここまで生き抜いてこられたと思っています。
実は引退会見の後も、何度も自分に問いただすことがありました。まだやれるんじゃないか、本当にここで終わっていいのか。何度も、何度も問い続けました。しかし、最終的に出る答えは変わりませんでした。この強いホークスのレギュラーとして、出場していく自信は、力は、まだ私に残っているのか。自信を持って、『イエス』と答えられなくなりました。その時点で潔くユニホームを脱ぐ。いつも、何度も問いただしてもそういう決断に至りました。
本当にさみしいですが、選手人生はここで終わりますが、また新しい人生のスタートだと思っています。これからの人生を懸命に生きていきたいと思っています。
最後になりますが、ファンの皆様、長きにわたり、中村晃という選手を応援していただき本当にありがとうございました。ファンの皆さんの声援がなければ、ここまでくることはできませんでした。どんなに打てなくても、打席に向かう時は背中を押していただき、弱気になる自分を奮い立たせていただきました。ファンの皆様、本当にありがとうございます。
今日でプロ野球選手人生は終わりますが、またいつか、皆さんの前に胸を張って会える日を楽しみに、これからも懸命に生きていきます。19年間、本当にありがとうございました。