
◆パ・リーグ 日本ハム0―6楽天(24日・エスコンフィールド)
最後の打者・水野のライナーが宗山のグラブに収まると、前田健は最高の笑みを浮かべた。エスコン初勝利は2安打無四球の完封劇。完封は広島時代の14年8月22日の阪神戦(マツダ)以来、4416日ぶり。プロ野球最長ブランクだ。今季5勝目で松坂大輔、岩隈久志に並ぶ日米通算170勝目。年下のナインに「ありがとう」を繰り返し、ハイタッチを交わした。
「達成感と安堵、両方です。まだまだしっかり投げられるっていうところは、見せることができているのかなと思います。どうしてもスポーツ界、年齢のこと言われがちですけど、それって人によって全然違う。もっともっと長くできるように、チームに貢献できるようにっていうのはすごく意識しています」
初回2死、野村の打球が右腕を直撃するアクシデントに見舞われた。苦しさで顔をしかめた。だが崩れなかった。「内出血して、『終わった』と思って。ブルペン見たらみんなぶわ~って動き始めて、『やらかした!』と」。前日23日は延長12回の死闘。投手8人が登板していた。「3回でも5回でも、行けるとこまで、と」。2回から8回は完全投球。直球は走り、スライダーも切れた。二塁すら踏ませず、これぞエースの116球だった。
松坂に憧れたのは10歳の頃。横浜のエースとして延長17回を力投した98年夏の甲子園準々決勝・PL学園戦に心を奪われた。「衝撃受けて、録画5回ぐらい見直したんで。僕は関西出身なんで、松坂さんに憧れたけど、PL学園に行きたいって」。数字は並んだが「野球選手として、投手として並んだとは思っていない。勝ち星で並べたことは嬉しい」と力を込めた。
吉井監督も「代える気は全くなかったですよ。もう知らんフリしてました」と最敬礼だ。「今、チーム状態はすごくいい。来年に期待が持てる戦いができている」と18番。衰えとは無縁。円熟味あふれるマウンドさばきで、もっと勝ちまくる。(加藤 弘士)