
8月30日、埼玉西武・栗山巧選手の引退会見が行われた。会見場には栗山選手オフィシャルファンクラブの会員約630人も招待。大きな拍手に迎えられ、ブルーグレーのスーツ姿で現れた栗山選手は「25年間応援ありがとうございました」と一礼した。以下、会見での一問一答。
――引退試合当日、今のお気持ちを
「いよいよこの日がきたという気持ちと、まだ実感がわかない気持ちが入り混じっています」
――今シーズン一軍で過ごした日々もあれば、二軍で汗を流した日も
「一軍に帯同したときは、必ず打ってやるという気持ちでしたし、チームの勝利に貢献できるようにやってきました。二軍での日々は学びが多くて、これから一軍を目指していく選手と一緒にプレーできたのは、僕の財産になったといいますか、勉強になったと思っています」
――現役時代のベストプレーは
「数多くてこれがベストはなかなか選べないですけど、今季1本しかまだヒット出てないですけど、あのセンター前と。プロ入りして1本目ですかね、初めての1本と。一番は今日打つヒットになると思うんですけど(場内から拍手)」
――その2安打を選んだ理由は
「最初にインパクトがあったのと、一番最新で覚えているものを」
――同期の中村剛也選手と今日に向けて会話は
「特に会話はしてないです。一緒にドラフトで入ってきて、気付けば25年。同じユニフォームでプレーしている。当たり前にいる存在ではありますけど、特別なチームメイトでした」
――引退試合ではどのようなプレーを見せたい
「今までやってきたこと、それを見てもらうこと。プレーで出して、どう見てもらえるか。今までやってきたチームメイト、監督とかコーチとか楽しみにしてらっしゃる方もたくさんいると思うので、今できる最高のプレーを感謝の気持ちととともに出せたらいいなと思います」

――中村剛選手は栗山選手にとってどんな影響を与える選手だったか
「みなさんご存知の通り、僕とは真逆といいますか、プレースタイルも違いますし。それでも最初の頃はいろいろ思うことはなかったんですけど、長くプレーしていくことによって『あ、こういうことを取り入れることが僕にもできるな』とか、参考にさせてもらったというか。そういうのを刺激し合ったというのかもしれないですけど、勉強になった、そういう存在でしたね」
――『引退』ではなく『締めくくりのシーズン』という表現をした意図
「家庭の中で子どもたちと話すこともあって。やめてもいいけど引退とは言わんとってくれと、そういうことを言われまして」
――野球をやっている少年少女に、野球をやるうえで大事なことを伝えるとしたら
「楽しくてやっていると思うので、楽しいという気持ちを常に持って。あとは上手い下手関係なく、目一杯やってもらえたらと思います」
――打撃の追求の25年間。その時間はどんな時間だったか。心境の変化は
「打撃の追求をここ数年はやらせてもらった。もちろん最初はどうやれば結果が出るのか、ひたすらただバットを振ってやるだけだったんですけど。今に至るまで、振り返ってみれば野球をやっていて、打撃のことを追求するのは楽しかったです」
――栗山選手はアイコンタクトを取っているのが印象的
「覚えてないですよ(笑い)。でも、できるだけその人が何を言いたいのか、どういう気持なのかをくみ取るために、できるだけ目を見ています」
――栗山選手のヒットをカウントしているファンもいた。どんな風に見ていたか
「本当にうれしく思っていましたし、なかなか順調にヒットを打てる時ばかりじゃないので、勝手にめくってくれへんかなと思いながら(笑い)。一本ずつ一緒に積み重ねてこられたというのは非常にうれしく、素晴らしい時間だったんじゃないかなと思います」
――最後に今日、カウントは進むか
「絶対進みます」
――華々しい成績を残した栗山選手。25年の中で苦しい時に支えになったのは
「通算成績で見れば、かなりの数字を積み重ねて来ることができましたけど、なかなかうまくいかないことも多くて。身近にいるスタッフのみなさんであったりとか、監督、コーチ、みなさんの支えがあってプレーできた。しっかり準備していくなかで、毎日試合があるたびに、ファンの方が球場に足を運んでくれて、名前を呼んでくれて。そういうのがすごく支えになりました」
――バットを振る日々も今日で終わり。明日以降のことは
「明日以降のことを考えていないです。もう今日のことだけ」
――ライオンズで25年やってこられた理由、今日という日を迎えられた思いは
「まずはドラフトで指名していただけて、入団して。野球に集中できる環境で(過ごせたこと)、一軍でデビューしてから、ライオンズが僕のことを必要としてくれて。僕もライオンズが大好きですし、このユニフォームとファンのみなさんの前でこれからもプレーしたい、という積み重ねが毎年あって、ここまで25年やれたと思います」
――今日は選手たちも全員、背番号「1」で戦う。どのような思いで見るか
「どうですかね? 甲斐野(央)が喜んでましたけどね(笑い)。本当に想像もできないようなことだと思うので、僕自身そこまで余裕があるかわからないですけど、全員が1番を着ている、そういう特別な試合を楽しみたいと思っています」
――社会貢献活動も力を入れていた
「プロ野球選手としての使命はもちろんグラウンドでプレーすることなんですけど、それ以外でもできることはないのかということで始めたのが社会貢献活動で。闘病されていて球場に来られない方がたくさんいるとお伺いして、少しでも僕たちの活躍が気分転換になったりですとか、励みになるのであればということで続けていることです。現役引退後も僕のできることをできる限り続けていきたいです」
――第2の野球人生は現時点でどう考えているか
「現時点では未定。今日の試合を全うすることに集中したいと思います」
――今日の引退試合を迎えるにあたり、ご家族とどのようなお話を
「今日の朝はまだ寝てましたね(笑い)。とはいえ子どもたちですから、お父さんが一軍の試合に出るのを楽しみにしています。今日は恐らくですけど、ほぼ球場中は僕の味方だと。そういう試合を見れることは、なかなかないので楽しんでね、という会話はしました」
――引退を決断されて「野球がうまくなりたい」という気持ちは依然と変わらずあるか
「全く変わらないです」
――もう一年やりたいなと思ってしまったことは
「なくはないですね。なくはないですけど、みなさんにお約束して、締めくくりの一年として今シーズンをやる、ということなので。もう出し切れるか。その一点だけでした」
――後輩たちに一番伝えたいこと
「できたら後輩たちに直接伝えたかったのですが。指名されて、何かの縁があってライオンズで、プロ野球でプレーしていると思うので。ライオンズには歴史があって、強い時期があって、我々後輩たちがいて。言葉ではなかなか言い表せないですけど、受け継がれてきているものがある。そういうライオンズの良さとか、自分らしさというものを、このライオンズのユニフォームを着ている限り、全力で悔いのないようにプレーして欲しいです」
――背番号「1」の選手に受け継いで欲しいもの
「背番号云々ではなく、まずは自分たちのプレーをしっかりやって欲しい。後輩たちにはもっと自分の良さが出ると思うので、まずはその背番号が自分の番号なんだという、そういう選手に育って欲しいと思っています。今の選手たちには個性を伸ばして欲しいです」
