ロッテの小野郁は7月12日の日本ハム戦から現在11試合連続無失点中だ。
昨季は左打者の被打率が.193(83-16)だったのに対し、右打者の被打率が.312(77-24)と課題にしていた。今季は左打者の被打率が.206(63-13)、右打者の被打率も.189(53-10)と抑え込んでいる。
右打者を抑え込んでいる要因のひとつに、今季から右打者に投げているシンカー系の高速フォークが挙げられる。小野本人も「去年は全然投げていない球なので、多分そうだと思います」との見解を示した。
2回を無失点に抑えた7月18日のソフトバンク戦、3-5の8回二死三塁で正木智也に1ボール1ストライクからインコース149キロシンカー系フォークで空振り、2ボール2ストライクから最後は外角140キロスライダーで見逃し三振。インコースを意識させ最後、外勝負は見事だった。
「インコースばっかりいっていたので、最後スライダー通るかなと思って。(佐藤)都志也も同じこと考えていたと思うし、結果いいところに投げられて良かったかなと思います」
最初からインコースを意識させて、外勝負を組み立てていたのだろうかーー。
「早いカウントでゴロとか打ってくれるかなと思ってたんですけど、2ストライクまで行ったので、あまりしつこくいかないように。自信もある球ではないので、最後にスライダーを投げて抑えられたのは良かったかなと思います」
7月19日の取材時点で右打者のインコースのフォークは「投げていてそんなに時間も経っていないので、ゴリゴリ投げる球ではないかなと思います」と、そこまで自信を持って投げているボールではなかった。
ただ、右打者にもシンカー系のフォークを投げて、インコースをしっかりと使っている。「フォークがインコースにいってくれているから、投げやすくなっているのかなと思います」と分析する。
昨季は夏場以降に右打者に対し、ストレート、スライダーだけでなく、チェンジアップも投げていたが、今季は右打者にチェンジアップを投げていないのはフォークが良いからなのだろうかーー。
「球も速く投げられるので、そっちの方がいいかなと」
フォークは150キロに迫る。「落とそうとも思っていないですし、ちょっと動いてくらいで投げているので、別に特にはという感じっす」とのことだ。
正木をインコースでカウントを取って、外のスライダーで三振に仕留めたように、8月19日の楽天戦でも、2-3の6回二死走者なしで吉野創士に初球インコース152キロストレートファウル、2球目のインコース152キロストレートでファウル、最後は3球目の外角スライダーで中飛に打ち取った。内を意識させて外勝負は良かったが、小野によると「あれは、勝手に内にいっただけです」と意図したボールではなかったようだ。
26日のソフトバンク戦で今季30試合登板に到達し、2年連続40試合登板に向けて残り10登板となった。「いければいいかなという感じ。ギリギリなので、そうっすね、任されたところをいくだけ。頑張りたいと思います」
ロッテは残り32試合。3位日本ハムまで7.5ゲーム差とかなり開いている。26日のソフトバンク戦、5点ビハインドを跳ね返し大逆転勝利を収めた陰に、リリーフ陣がスコアボードに0を並べ続けたことが大きかった。今後の戦いにおいても、リリーフ陣の出来不出来が勝敗を分けることは間違いない。
「任されたところをしっかり投げるだけだと思っているので、チームに勢い付けられるようにいいピッチングが続けばなと思います」。チームのため、与えられたポジションで必死に腕を振る。
取材・文=岩下雄太