◆パ・リーグ オリックス5―1西武(14日・京セラドーム大阪)
オリックス・曽谷龍平投手(25)が、5回1失点で今季初登板初勝利をつかんだ。25年7月11日の日本ハム戦(エスコン)を最後に、白星から遠ざかっていた4年目左腕。277日ぶりの白星をつかんだ男の成長を、オリックス担当の南部俊太記者が「見た」。
曽谷は安どの笑みを浮かべた。「大きいですし、やっぱり気持ち的には本当にホッとしました」。最速151キロの直球に宝刀“ジェットコースタースライダー”を駆使。今季初登板は5回1失点、89球で十分だった。同じ左腕として3月のWBCを戦った西武・隅田にも投げ勝ち、リスタートの1勝目をつかんだ。
25年は自己最多の8勝を挙げたが、後半戦は7戦未勝利。折れたバットが胸部に直撃する不運にも見舞われた。苦しんだ期間にふと思い出したのは、プロ2年目の24年に捕手の若月からもらった言葉だった。「もっと大胆に勝負できる投手だから!」。結果を求めるがゆえに、小さくまとまろうとする姿を見抜いての指摘だったと、後に聞いた。
「そんなにコントロールもよくないし、小細工もできない。僕の一番の武器はどんどん勝負して、空振りを取ること」。150キロ超えの直球を中心に、思い切ってゾーンに投げ込む大切さ。先輩が原点を思い出させてくれたという。「若月さんに育てていただいた。今後の野球人生でも、変えるつもりはない」。そんな女房役との共同作業だったからこそ、長いトンネルを抜けられたに違いない。
チームでは、宮城が左肘内側側副じん帯損傷で10日に出場選手登録を抹消。1学年下だが、プロとして尊敬しているエースの離脱に奮い立った。「カバーするのは僕たちしかいない。戻ってくるまで本当に耐えて、頑張っていきたい」。並々ならぬ決意で臨む、プロ4年目。打者をねじ伏せる姿が目に浮かぶ。(オリックス担当・南部 俊太)