真中満が考える、交流戦采配の難しさ。セ・リーグDH制導入反対の理由とは?【月パこぼれ話】

パ・リーグ インサイト 後藤万結子

2025.6.24(火) 22:00

真中満さん©PLM
真中満さん©PLM

 野球中継がない月曜日にも楽しんでもらおうと始まったパーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネルの「月曜日もパテレ行き」。日本生命セ・パ交流戦スペシャル第4週は、五十嵐亮太、T-岡田さんに加えて、ゲストとして真中満さんが出演し、パ・リーグの1週間を振り返った。

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 12勝5敗1分、勝率.706で福岡ソフトバンクが6年ぶり9度目の優勝を飾り、幕を閉じた「日本生命セ・パ交流戦 2025」。期間中、DH制が導入されていないセ・リーグの本拠地で、普段打席に立つことのないパ・リーグ投手がバットを握る姿を楽しみにしていたファンも多かったのではないだろうか。

 実際に今季の交流戦では、「6番・投手」としてスタメンに名を連ねた北海道日本ハム・山崎福也投手が適時打を放つと、東北楽天・瀧中瞭太投手は3打席連続四球で出塁するなど、パ・リーグ投手陣の打席での躍動が話題となった。しかし、ビジター球場では普段と異なるオーダー編成を余儀なくされることに、選手、首脳陣ともに難しさを感じることもあるだろう。そこで、2015シーズンから3年にわたって東京ヤクルトの監督を務めた真中さんに交流戦の采配について聞いた。

 パ・リーグ本拠地開催試合では「守備があまり得意ではない選手をDHとして起用していた」と話す真中さんは、「通常その選手が守っているポジションに、守備が上手い選手を入れる。まずは守備から固めていくという形になることが多かったと思いますね」と監督時代を振り返る。守備からプレーのリズムをつくるタイプの選手もいるが、たった9試合のなかで、選手それぞれのタイプを見極めることはとても難しいため、まずは守備の強化を一番に考えていたようだ。

 また、「パ・リーグの監督からすると、(投手交代のタイミング)はとても難しいと思いますよ」と推測。「一番苦しいのは、1点差で負けていて、6回あたりのチャンスで代打を出さなきゃいけないゲーム。ビハインドゲームで(投手起用)どう判断するか、というところは非常に難しい」と、セ・リーグ野球ならではの采配の難しさを説いた。

 最後に、昨今熱い議論が繰り広げられている“セ・リーグのDH制導入”について、監督経験者である真中さんはどう考えているのだろうか。

「今のところ、僕はまだ反対です。投手に打順がまわることによる、投手交代や采配の難しさがセ・リーグの野球の楽しみでもあるのかなと思っているので。『ピッチャーが育たない』というようなマイナスな意見ももちろんありますが、やっぱりピッチャーを9番に入れたうえで采配するというところに、セ・リーグ野球の難しさや面白さがあると思います」

取材・文 後藤万結子

LIVE配信番組「月曜日もパテレ行き」
・配信日:毎週月曜日21時~(シーズン中の10月まで配信予定)
・配信先:パーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネル
・出演者:週替わりでプロ野球のOBコンビが出演
(銀次さん&金子侑司さん/GG佐藤さん&ゲスト/五十嵐亮太さん&T-岡田さん/谷繁元信さん&里崎智也さん)

次回30日(月)は、谷繁元信さんと里崎智也さんが登場予定。お見逃しなく!

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