「裏の裏をかかなくて良い」川上憲伸が振り返るセ・パ交流戦【月パこぼれ話】

パ・リーグ インサイト 東海林諒平

2025.5.29(木) 06:00

「月曜日もパテレ行き」に出演した川上憲伸さん ©PLM
「月曜日もパテレ行き」に出演した川上憲伸さん ©PLM

 野球中継がない月曜日にも楽しんでもらおうと始まったパーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネルの「月曜日もパテレ行き」。5月26日は、谷繁元信さん、里崎智也さん、ゲストとして川上憲伸さんが出演し、交流戦の各チームのキーマンや、思い出話など、さまざまなトークを繰り広げた。

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 いよいよ6月2日(火)から「日本生命セ・パ交流戦 2025」が開幕する。3週間にわたって異なるリーグのチームと対戦するこの期間。ここで同リーグのチームと差をつけ、レギュラーシーズンをリードするチームも少なくないだけに、各球団にとって重要な試合が続く。そんな交流戦について、プロ17年で日米通算117勝をマークした川上さんに、難しかったことや、意識していたことを伺うと、セ・パの野球の違いについて口を切る。

「セ・リーグでの試合では、9番・投手の打順でイニングを終わらせなかったり、いかにバントさせないようにしたりできるかが、一つの鍵になります。DH制で行われるパ・リーグの試合では、9番にもそれなりに良い打者が入るので、いつもより長打を警戒する必要がありますし、バントをしてこないことも多いです。攻め方や考え方が普段と変わるところが、難しかったですね」

 また配球に関しては、「裏の裏をかかなくて良い」と話す。対戦が多いセ・リーグの選手に対しては、普段と攻め方を変えて裏をかき、さらにその裏まで考えてピッチングを組み立てていたが、逆に年に1試合しか対戦しないパ・リーグの選手に対しては、素直に打者の反応を見て球を選ぶことが多かったと当時を振り返った。

普段と違う対戦相手に普段と違う投球を

 そんな交流戦で川上さんが意識していたのが “緩急”。「普段はこのタイミングでカーブを投げることは少ないけれど、あえて最も遅いカーブを投げようだとか。フォークが得意ではないけれど、少し多めに使おう」と、普段のピッチングスタイルに変化を付けていたという。

 さらに、「環境によって普段使えない変化球が使えたり、逆に使えていたものが使えなくなったりする」と、球場の特徴を考慮した投球術も求められると語る。川上さんはZOZOマリンスタジアムだとフォークがいつもより良くなったそうで、実際に同球場で登板した2005年5月20日は9回1安打無四死球1失点(7回まで無走者投球)と圧巻の投球を披露。普段と違う環境、違う相手との対戦について、「自分に味が出て良かった」と笑顔で振り返った。

 最後にパ・リーグで注目している投手をたずねると、「先発ローテーションがあそこまでそろっているチームは少ない。他のチームがどのように対応してくるのか注目しています」と、埼玉西武の先発陣を挙げる。特に圧倒的な成績を残している今井達也投手については、「ノーヒットノーランを達成するのではないかと思わせる。そのくらいの投手になってきています」と称賛していた。

取材・文 東海林諒平

LIVE配信番組「月曜日もパテレ行き」
・配信日:毎週月曜日21時~(シーズン中の10月まで配信予定)
・配信先:パーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネル
・出演者:週替わりでプロ野球のOBコンビが出演
(銀次さん&金子侑司さん/GG佐藤さん&ゲスト/五十嵐亮太さん&T-岡田さん/谷繁元信さん&里崎智也さん)

来週6月2日(月)は、銀次さんと金子侑司さんに加えて西岡剛さんが登場予定。お見逃しなく!

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