4月14日、パーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネルの「月曜日もパテレ行き」に辻発彦さんとGG佐藤さんが出演し、先週1週間の試合のなかで、特に気になった選手をピックアップして解説した。今回は、配信には入りきらなかった“こぼれ話”をお届けする。
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番組冒頭、GG佐藤さんが「今回のゲストは辻発彦さんです!」と紹介すると、GGさん自ら持ち込んだ冷却スプレーによるスモーク演出で辻さんを迎え入れ、かつて話題を呼んだ“劇団獅子”を彷彿とさせる一幕があった。
埼玉西武監督時代、試合前のスタメン紹介で辻さんの名前が読み上げられ、スクリーンに映された際に、山野辺翔選手、柘植世那選手、山田遥楓選手(現:東北楽天)らも一緒に映り込み、さまざまなパフォーマンスでスタジアムを盛り上げた“劇団獅子”。選手が考えてきた“劇団のパフォーマンス案”に、辻さん自ら助言することもあったのだとか……。このように、選手との熱い信頼関係が垣間見える場面が多かった辻さんに、監督として選手と接するうえで大切にしていたことを聞いた。
「まずは、選手の話を聞いてから、自分の話をすること。選手の失敗に対して、はじめに、どういう意図があってそのプレーになったのかを本人から聞いていました。『なぜあそこでこうしたんだ。あれはこうするべきだっただろう』という話し方はしない。選手の意識が正しくて、それが失敗になったということであれば、『また練習しようよ』という話になりますし、もし、そのプレーがやってはいけないことであっても、選手の意図や気持ちをきちんと聞いたうえで、説明していましたね」
また、エラーが失点につながった時など、選手に落ち込んでいる様子が見られたときは、選手それぞれの性格に合わせて言葉を変えながらも、あえて本人の失敗に突っ込んで話しかけるようにしていたそう。こうしたスタイルは、辻さんの現役時代の経験に由来している。
「現役時代、自分がミスして失点した時に、監督から(そのプレーに関して)突っ込まれたほうが気持ちが楽だったんですよね。たとえダメ出しだとしても、現場で一番上の立場にあたる監督から声をかけてもらえることは、期待の表れだと思っていたので」
自分自身が、監督に気にかけてもらえることが嬉しかったからこそ、ちょっとしたことでも選手と会話をするようにしていた辻さん。「『髪伸びてるんじゃないか? 早く切って来いよ!』とか、本当にたわいのないことでも良いんですよ」と笑顔で、監督時代を振り返った。
今回、辻さんにお話しいただいた若手とのコミュニケーション術は、野球の話に限らず、すべての人に生きるのではないだろうか。
取材・文 後藤万結子
LIVE配信番組「月曜日もパテレ行き」
・配信日:毎週月曜日21時~(シーズン中の10月まで配信予定)
・配信先:パーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネル
・出演者:週替わりでプロ野球のOBコンビが出演
(銀次さん&金子侑司さん/GG佐藤さん&ゲスト/五十嵐亮太さん&T-岡田さん/谷繁元信さん&里崎智也さん)
来週21日(月)は、五十嵐亮太さんとT-岡田さんが登場予定。お見逃しなく!
辻発彦から学ぶ、若手とのコミュニケーション術【月パこぼれ話】
パ・リーグ インサイト 後藤万結子
2025.4.18(金) 11:00
