日本ハム・新庄剛志監督（５３）はベンチを飛び出し、両手を上げ、たたいた。５回が終わり３点のビハインド。しかし６回、打者１２人、４連打を含む６安打。相手の２失策も絡み８得点の猛攻を見せ、ロッテに逆転勝利した。指揮官は「これがファイターズ。打ち出したら止まらない」とニンマリ。この日も送りバントはなしで、開幕から１５試合連続犠打なしはプロ野球新。首位オリックスが１３日に打ち立てたばかりのプロ野球記録、開幕から敵地８連勝にあと１とする敵地７連勝で、貯金を３とした。

　“ノーバント打線”がロッテ投手陣をのみ込んだ。先発・種市の前に５回まで３安打無得点と沈黙も、６回に一気に逆転。指揮官は「後ろにつなごうというよりも、打席でボールに集中しようという意識」と証言。９日に１７安打８得点で勝利した楽天戦（楽天モバイル）後には「バントする必要なくないすか？　打ってつながる打線。アウトを１つタダで渡すより、つながってくれると思うから」と説明。もちろんバントの練習も行い、必要な場面が来ればサインを出すかもしれない。しかし、今はリーグ２位の６１得点を記録している打線への手応えがある。

　確かな根拠もあった。１点リードとした６回１死満塁。９人目の打者として奈良間の代打に吉田を起用。走者一掃の三塁打を放ち試合を決めた。指揮官は「大事な場面の代打はキャッチャー。引き出しが多いし（配球を）割り切れる。吉田くんに聞いたら『満塁で死球は嫌なので外の真っすぐに張った』って」と自慢げだ。吉田も「思い切って踏み込んで打った」と、狙い通りの右中間への当たりを振り返った。

　９回には清宮幸に開幕戦以来の２号ソロも飛び出し連敗を２でストップ。新庄監督は「あの回だけなので」と控えめに語ったが、火がついたら止まらない、バント不要のハム打線がパ・リーグの脅威となる。（川上　晴輝）

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