
◆パ・リーグ 楽天1―6オリックス(13日・楽天モバイルパーク)
オリックスが開幕からの敵地連勝を8に伸ばし、両リーグ最速で10勝に到達した。開幕からの敵地8連勝は、フランチャイズ制が施行された1952年以降のプロ野球新記録。単独での両リーグ最速10勝到達は、球団では阪急時代の1987年以来38年ぶりだ。昨季最終登板で規定投球回到達を逃した宮城大弥投手(23)が因縁の仙台で8回1失点と好投し、今季2勝目。打線も球団史上最速となる開幕14戦目で10度目の2ケタ安打をマークし、首位を守った。
雨が降りしきる杜の都で、エースが真価を発揮した。8回2死一塁。宮城は阿部から空振り三振を奪うと、小刻みにステップして一塁ベンチへと戻った。プロ入り後最多の132球を投げ、5安打1失点で堂々の今季2勝目。「久しぶりに雨の中での試合だったけど、悪い思いは捨てて、いい投球ができた。野手のおかげで、テンポ良く投げられた」。淡々と、充実の表情で振り返った。
昨季は10月6日のチーム最終戦・楽天戦(楽天モバイル)で降雨コールドの不運に見舞われ、4年連続の規定投球回に1回1/3届かなかった。同時に最優秀防御率のタイトルも逃し、涙を流した。同地で半年ぶりの登板となったこの日もあいにくの空模様。「雨に好まれているのかな…」と苦笑いを浮かべ、因縁のマウンドへと向かった。最速は147キロにとどまったものの、的を絞らせない投球でゴロアウト12個の山。「打たせて取る投球にしようと思っていた。実行できて良かった」。額の雨粒を拭い、自らの成長に胸を張った。
今季、ドジャース・山本から背番号18を継承した。20年の入団時から大きな背中を間近で見てきたからこそ、特別な重圧もあった。「僕は僕でマイペースに」。あえて先輩を意識しすぎないつもりでいたものの、「開幕前とか、緊張であまり食べられなかったりした」と、キャンプ時の90キロからは体重が少し軽くなった。チームを背負っての快投に、自身も「18」を背負った岸田監督は「マウンドの高さと自分の調子をうまく(考えて)、立ち上がりから丁寧に投げていた。調整も、マウンド上での姿も、全てエースらしい」と称賛の言葉を並べた。
「最後まで試合で投げ続けることだったり、けがをせずに投げることを目標としている。それに近づけるようにやっていけたら」と宮城。山本と同じ偉大なエースの座へ、また一歩、階段を上った。(南部 俊太)
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