
◆パ・リーグ ソフトバンク0―6西武(4日・みずほペイペイドーム)
西武の西口文也新監督(52)が開幕5戦目で待望の初勝利を挙げた。昨季12球団最低のチーム打率2割1分2厘と低迷した打線が4回に有原から一挙6得点。開幕から5番に抜てきしているドラフト2位・渡部聖が初の3安打含む全5打席出塁、6番で初スタメン起用した野村大が決勝2点二塁打と采配が的中。シーズン91敗を喫した昨季、42ゲーム差をつけられたソフトバンクとの今季初戦を制し、新たな一歩を踏み出した。
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初心に帰る出来事があった。1月18日。西口監督は母校・立正大と同校野球部OB主催の「監督就任激励会」に参加した。久々に再会した同級生の有志からカシオの腕時計「G―SHOCK」を贈られ、「驚いた」と笑みをこぼした。
大学時代の日々が我慢強さの礎となった。都内の試合会場から埼玉・熊谷の寮まで走って帰ったこともある。「5回をゼロで抑えたのに(投球)内容が悪いから走って帰れって(監督に)言われて熊谷まで走って帰った」。午後3時頃に出発し、到着は夜遅く。道中で試合後のチームメートを乗せたバスにも抜かれ、行方を心配したマネジャーらが残り3キロ付近まで迎えに来てくれたという。
友人たちとの絆は西口監督が同校初となるNPB1軍監督に就いた今も、変わっていない。2月のキャンプ中には先輩後輩問わず、多くの仲間が宮崎・南郷まで激励に訪れた。「こいつら、俺のこと好きやからなぁ」。シーズン後には“おめでとう会”として、仮に“残念会”となっても集まることが決まっている。
普段は腕時計をつけないため、贈り物は大切に自宅に飾ってある。ようやく手にした監督初勝利。大切な仲間たちからのエールを胸に、30年以上前のあの日と同じように、遠いゴールへ地道に歩を進めていく。(西武担当・大中 彩未)
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