
◆オープン戦 オリックス1―1阪神(21日・京セラD)
66球と余力を残した投球でも、真っ先に課題が口をついた。「理想はちょっと高いので。いい投球を続けられれば、100点に近づくと思います」。オリックス・宮城の最終登板は4回を2安打無失点。2度目の開幕投手を務める28日の楽天戦(京セラD)へ「気持ちは変わらない」と万全で臨むつもりだ。
唯一のピンチは2回だった。2死から栄枝に右翼線二塁打を許し、高寺には四球。一、二塁でギアを上げた。坂本を3球三振に仕留めた。「2つの四球はもったいなかった」と反省したのも、自らに求めるレベルが高いからこそ。3回1死一塁では148キロの直球を外角いっぱいに収め、佐藤輝から見逃し三振だ。
「経済的な問題で、子どもたちに夢を諦めてほしくない。その一心です」。決して裕福でなかった自身の経験もあり、22年に一般社団法人「宮城大弥基金」を設立した。当時のチームメートで、偉大な存在だったのが山本由伸(ドジャース)。少年少女のスポーツ活動を支援する目的を知っていた先輩が18日、カブスとの開幕戦(東京D)に子どもたちを招待してくれた。
事前に連絡があり、関係者を含む10人のチケットだけでなく、抱えきれないほどのグッズまで用意してくれていた。「僕は何もしていないので…」。試合後には「ナイスピッチングでした」と言葉を添え、丁寧にお礼。背番号18の前任エースは「何かあったら、また言ってね」と最後まで格好良かった。同学年の佐々木朗も翌19日にメジャー初登板。白星こそ挙げられなかったが、160キロ超の速球でグイグイ押す姿に、テレビ越しから刺激を受けた。
昨年11月、12球団最速で大役に指名した岸田監督は「大丈夫だと思います」と断言。しかし自身の状態を「60点」と採点したのも、向上心の表れだ。「野手は紅林に任せたいので、投手陣を引っ張っていけるような存在でいたい」。昨季5位からの覇権奪回。左腕がつくる物語は想像を超えていく。(長田 亨)
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