
◇日本ハム紅白戦 白組4-4紅組(15日・名護)
日本ハムは15日、名護で2軍選手を含めた紅白戦を行った。ドラフト6位ルーキー・山城航太郎投手(22)=法大=は、プロ初実戦のマウンドで1回1安打無失点1奪三振。上々の投球だったが、投げる際に何度も帽子が飛んだ点を猛省した。また、昨年10月に右肘のクリーニング手術を受け、慎重に調整する田宮裕涼捕手(24)は今季実戦初出場。途中出場で3打席立ち、2打数2安打1四球と結果を残した。
一塁側に体を倒しながら、山城は真上からボールを投げ下ろした。ダイナミックなフォームに、何度も帽子が飛ぶ。2回、先頭の野村を追い込むと、最後はスライダーで空振り三振。万波には浮いたフォークを左前打にされたが、マルティネスを二ゴロ併殺打に仕留め、予定の1イニングを3人で無失点に抑えた。
4番・野村に対しては、フォークのサインに首を振ってスライダーで仕留めた。「1球もスライダーを見せてなかったんで、空振り取れるかなという自信のもと投げました」とうなずいた。最速も150キロをマークし、「自主トレ期間から1回も出てなかったので、良かった」と振り返った。
それでも手応えより、課題が残った。特に何度も飛ばした帽子については「あれは本当にダメなんで」と反省。コーチを通じて新庄監督から「ここ(あご)にひもつけろ」とお叱りも受けた。事前に帽子のサイズを落としたが飛んだため、今後は深くかぶれる帽子を特注して対応するつもりだ。
万波の安打も2球で追い込みながら、勝負球が浮いた結果だった。「(自己採点は)60点ぐらい。いい部分より悪い部分を反省して、これからにつなげていきたい」と語った山城。クイックを含め自ら感じた課題を、ここから伸びしろに変えていく。(山口 泰史)
◆山城 航太郎(やましろ・こうたろう)2002年9月3日、福岡県生まれ。22歳。福岡大大濠では主に野手として活躍し、2年から投手も兼任。エースはオリックスから1位指名を受けた山下舜平大だった。法大では投手に本格転向。3年秋にリーグ戦デビューを果たすと、4年秋には7試合に登板し初勝利もマークした。最速154キロ。183センチ、84キロ。右投右打。
やや甘く入ってきた真っすぐを、田宮は逆方向へはじき返した。5回2死、柴田の代打で登場すると、ファーストスイングで捉えた。続く7回は四球を選ぶと、9回には無死一、二塁から三塁前への絶妙なバントで自らも生き、今季初実戦で2打数2安打1四球と存在感を示した。
右肘手術の影響を考慮され、1軍スタートしたメンバーでは最も遅い初実戦。不安を払拭(ふっしょく)する内容に「打つ方に関しては全然大丈夫だったんで、結果が出てよかったです。守りももうすぐかなと思うので、しっかり実戦に向けて準備をしていきたい」と笑った。
昨季は開幕戦でスタメンマスクをかぶり、いきなり2安打。ブレイクのきっかけをつかみ「まず開幕に出ないとシーズンが始まらない。そこを目指して頑張っていきたい」と田宮。開幕へ向けて、ここからギアを上げていく。
〇…山口はキャンプ1軍スタートも、11日までの実戦4試合で6打数無安打1死球。ラストチャンスの13日の練習試合・中日戦(名護)が雨で中止となり、第4クール初日だったこの日から2軍に降格した。それでも紅白戦の9回1死満塁から同点の左前2点打。この試合の3打席目、キャンプを通じて10打席目の初安打に「この1本が次につながるように、まず一歩という感じ。1軍にもう1回戻りたい」と前向きだった。
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