
今年限りで退任するオリックス・湊通夫球団社長(63)が19日、京セラDで会見を行った。11年12月にオリックス野球クラブへ出向し、18年1月から現職。「ファンの皆様に支えてもらい、楽しい思いを共有させていただいた。(ファンは)宝物のような存在です」と目を潤ませた。
球団経営の視点でチームを支え、21年からのリーグ3連覇を後押し。「コロナ禍で、先の見えない不安があった。(その中で)福良さん(GM)、中嶋さん(前監督)も含め、いろんな人に話を聞かせていただいたことが3連覇につながった」と、2年連続最下位からの歓喜を振り返った。「こういう仕事をやっていてよかった…」と、日本一に輝いた22年の御堂筋パレードは最高の思い出だ。
同年オフからは吉田正尚(レッドソックス)と山本由伸(ドジャース)が、2年続けてポスティングシステムで米大リーグ挑戦。「ともに球団だけではなく、ファンの人から見ても結果を残した。吉田選手がいなければ日本一はつくれなかったし、山本投手に至っては圧巻」。それぞれの夢に耳を傾け、常に選手ファーストだった。
15年にキャンプ地を宮古島から宮崎へ、17年はファームの球団施設を神戸から大阪・舞洲へ移転。人気球団の土壌をつくり、グッズ収益は3連覇前からほぼ倍増した。大阪シティドームの社長も兼務しており、現在はシティ信金スタジアムのナイター設備改修を本格検討中だ。
コロナ禍だった21年のバーチャル優勝パレードでは、中嶋前監督を乗せた先導車をサプライズで運転するなど、遊び心も持っていた名物社長。来年1月からは球団顧問として、チームを見守り続ける。「新しいことに挑戦してほしい。変えていくから意味がある」と後任の馬殿(ばでん)太郎氏(59)にエールを送り、肩の荷を下ろす。(南部 俊太)
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