“ミスターレオ”栗山巧、異例の1年前に引退発表 会見では「引退」の言葉なしも来季は「締めくくり」

スポーツ報知

2025.11.25(火) 06:15

契約更改を終えて会見する栗山。来季限りでの現役引退を発表した(カメラ・山崎 賢人)

 西武・栗山巧外野手(42)が24日、埼玉・所沢市の球団事務所で契約更改交渉後に会見し、プロ25年目となる来季限りでの現役引退を発表した。1年前の表明について「25年目を迎え入れることで節目になる」と説明。西武一筋、通算2150安打の“ミスターレオ”の雄姿は来季限りとなる。

 涙はない。栗山は決然とした表情で前を見据えると「僕自身の25年目を迎えるシーズンで締めくくりのシーズンとさせていただくことを報告します」と言い切った。電撃的ともいえる引退表明について「ファンの皆さんにしっかり僕のプレーを見てもらいたい。25年目を迎え入れるということが節目になる」と説明した。

 入団6年目の2007年にレギュラーに定着すると、左打席からの鋭いスイング、勝負強い打撃で2008年の日本一などチームに貢献。21年には史上54人目の通算2000安打を達成したが、近年は出場機会が減少。今季は11試合出場でファーム暮らしが長く続いた。それでも腐ることなく練習。真摯(しんし)な態度は若手のお手本になった。「後輩たちがああいうふうになりたいと感じてもらえたら」。これからも背中で自身の経験を伝える。

 “最後”の契約更改交渉では2000万円減の6000万円でサイン。広池球団本部長は「判子を押す手に力が入っていたように見えました」と場の雰囲気を明かした。来シーズン開幕前の引退表明とはいえ、定位置の確約はなく若手との競争になる。同本部長は「勝つためにやっていますので、本人も一番わかっている」と特別扱いはしない考えだ。

 すでに来季へ向けてトレーニングを開始。「すべてを出し尽くして必ず優勝する。その一員としてメンバー入りして頑張っていく」と誓った。会見で「引退」の2文字はなし。「僕のプレーを楽しみにしてください」。別れはまだ先。さまざまな思いを胸に“ミスターレオ”が最後のシーズンに挑む。(秋本 正己)

 ◆契約更改後、翌年限りでの引退を表明した主な選手 2009年まで中日で22年間プレーした立浪和義は08年の契約更改後に表明。日本ハム、メジャーのジャイアンツなどでプレーした田中賢介は18年の契約更改後、会見で明かした。

 ◆栗山 巧(くりやま・たくみ)1983年9月3日、兵庫県生まれ。42歳。育英から2001年ドラフト4巡目で西武入団。初出場は04年9月24日の近鉄戦。2021年に史上54人目の通算2000安打を達成した。ベストナイン4度、ゴールデン・グラブ賞を1度受賞。177センチ、85キロ。右投左打。背番号1。

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