
日本ハムの達孝太投手(21)が16日、スポーツ報知のインタビューに応じ、8勝を挙げ一気にブレイクしたプロ4年目を振り返った。2022年のデビューから全先発での無傷7連勝はプロ野球記録。メジャーを愛する原点、己に負けない自身のメンタル術など胸の内を激白した。(取材・構成=川上 晴輝)
飛躍を遂げた21歳が明るく丁寧に言葉を紡いだ。昨季までの3年間で1勝も今季は一気に8勝を挙げた。
「そんなに自分の実力とか持っているものに関しては、大きく変わってないです。今まで飛び石してきたことがなかったので、確実に一段一段上っている感じで、ある程度のラインまで来たのが今年だったんじゃないですかね」
今季は1完封を含む3完投。両リーグ断トツ23完投を誇る強力先発陣の一角として存在感を放った。
「(伊藤)大海さんが普通に7イニング目ぐらいで降りてたら自分らなんて、完投目指さないので。そういう流れを生み出してくれたのはありがたいです。『何7回で降りてんねん』ぐらいの感覚で見てくるんで(笑)」
前半戦は怒とうの6連勝も後半戦は2勝と苦しんだ。
「いや~正直、勝ちたい勝ちたいっていう欲がありました。極端に言えば、5点もらって、4点取られてもOKみたいな感覚でいたかもしれないですね」
大のメジャー好きを公言。原点は高1の時に抱いたサイ・ヤング賞3度受賞の現ブルージェイズ・シャーザーへの憧れだった。
「最初に見始めたのが19年ぐらい。僕はあんまり球速が出るようなタイプじゃなかった。何が必要なのか考えた時に、回転数だったり、ホップ成分とか、それがすごい選手って誰だろうって調べた時に、シャーザーが出てきた。『すごい。そうなんだ』っていう感じで、じゃあこういうピッチャーを目標にしていきたいなと思いました」
趣味はトレーニング。本や動画だけでなく、思わぬところにそのヒントが転がっているという。
「解剖学の本とかも読みますけど、小さなところにヒントは落ちているので。すごい活躍した選手が言ってることでも間違ったことを言っていたりする。SNSで発信し始めの大学生とか、1年目のトレーナーさんとかが、ぼそっと言ったことが、意外とパチってはまったりするんで。誰が言っているとかはあんまり気にしないようにしていますね。物事に対して、1回やってみて、これいいかもなと思ったらやります」
そんな右腕が大事にするのは己との戦い。
「自分に負けないことじゃないですか。朝起きるのがしんどくても、『何、負けてんねん』みたいな。負けたらここぞの根性がなくなるような気がするので。人のことっていうよりは、自分を他人として見ているので。頭の中に、ちっちゃい自分がいて、それがこの体を動かしてるみたいな。だから常に自分を見ているんで、周りは別にあんまり気にならないです」
来季がプロ5年目。自らを客観視し、進化を続ける21歳の成長に終わりはない。
◆達 孝太(たつ・こうた)2004年3月27日、大阪府生まれ。21歳。小4で野球を始め、中学時代は泉州阪堺ボーイズに所属。天理高では3年春のセンバツで4強。21年ドラフト1位で日本ハム入り。194センチ、101キロ。右投右打。今季推定年俸1050万円。
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