【パCS】伊藤大海が7回9K無失点…KOされた昨季最終S初戦の教訓生かし「高い授業料を払ったな」

スポーツ報知

2025.10.12(日) 05:42

力投する先発・伊藤大海 (カメラ・豊田 秀一)

◆2025 パーソル クライマックスシリーズ パ・ファーストステージ 第1戦 日本ハム2―0オリックス(11日・エスコンF)

 「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」の第1ステージ(S)が11日、開幕。日本ハム・伊藤大海投手(28)がオリックスを7回4安打無失点、9三振を奪う力投で同ステージ突破に王手をかける勝利に貢献した。今季14勝を挙げてパ・リーグ最多勝と最多奪三振の2冠に輝いたエースが、CS開幕投手に起用した新庄剛志監督(53)の期待に応えた。

 地鳴りのような歓声が渦巻いた本拠エスコンのお立ち台に上がった伊藤は、万波、郡司から回ってきたヒーローインタビューを前にぼそっとつぶやいた。「この2人の後、やりづらいな」。この後、エースに向けられたひときわ大きな声援が、誰が大トリにふさわしいかを物語っていた。

 はやる気持ちを抑え、努めてポーカーフェースを保って「とにかく冷静にいこう」と腕を振った。立ち上がりに直球が走っていないと自覚し、カットボールを多投したのも心が落ち着いていたから。150キロ近い球速がありながら、本塁付近で小さく曲がる軌道の球は、特に右打者を仕留めるのに役立った。

 エースの頭の中にあったのは、昨季CSの苦すぎる経験だ。第1Sは温存されて最終S初戦に先発もソフトバンク打線につかまり6回途中4失点でKOされた。忘れられないほど悔しい結果となり「高い授業料を払ったなと思います」と苦笑したが、大一番ほど冷静にという教訓を得て、1年後のCSで生かした。

 仲間の言葉にも助けられた。5回に先頭の宗に四球。同学年で三塁手の郡司が近づいてきて「もうバテたんか」と声をかけてきた。この一言でスイッチが入り、7回115球の熱投も、スタミナ切れを感じさせなかった。

 宮西の指示によって継投したと試合後に明かした新庄監督は「初回、どうなるかと思ったけれど、味方のミスをカバーするのがいいチームなので。よく踏ん張ってくれました」と、野村の失策で迎えた初回のピンチを乗り切った伊藤をたたえた。2冠のエースで臨んだ初戦で完封勝利。今年のCSは、正攻法ががっちりとはまった。

(阿見 俊輔)

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