
◆パ・リーグ オリックス10―5西武(1日・京セラドーム大阪)
オリックス・太田椋内野手(24)が人生最高で、最長のアーチを刻んだ。「人生イチです。何もかも完璧やったぐらいの、スイングができたと思います」と自画自賛も無理はなかった。1点差に迫られた4回2死一塁。左腕・杉山の直球を強振。パワー自慢でもなかなか届かない左中間5階席へ、特大の9号2ランだ。
「打ち終わって止まれている、というのが大事なポイント。あそこまで完璧なのは、練習で出せるぐらいだと思います」。打った瞬間、バットを持ったまま着弾まで鑑賞。8月17日の西武戦(京セラD)以来、出場30試合ぶりの一発だった。
プロ7年目で完全に二塁の定位置をつかんだ。グラウンドで連係が必要な遊撃の紅林とは仲良し。1学年下の後輩から「たまる」(太田の愛称)と呼ばれることにも寛容で、タメ口もOKな関係だ。最近は真剣に打撃理論を交換。下半身の使い方や球の見え方について考えを広げ、キャリア初の2ケタ弾にも王手をかけた。
4連勝を飾ったチームは3位からCSへ出場。一昨年は故障で出場できなかった悔しさがある。「本当に短期決戦。体も心もしっかり整えて、初戦に合わせたい」。22年のヤクルトとの日本シリーズ第7戦では史上初の初球先頭打者本塁打を記録し、日本一の原動力になった成長株。オリの「隠れ短期決戦の鬼」が、静かに熱く燃える。(長田 亨)