
◆パ・リーグ ソフトバンク5―4西武(19日・ペイペイドーム)
怪童と呼ばれた強打者の教えはホークスにも息づいている。11日に心不全のため90歳で亡くなった中西太さんが西鉄の黄金時代を築いた福岡の地で、西武と激突した一戦。ソフトバンクの門下生・今宮健太内野手(31)が感謝の一打を放った。「絶対にチャンスを生かそうという気持ちしかなかった」。2回1死二、三塁で147キロ直球をミート。中前2点打で貴重な追加点をもたらした。
中西さんは11、12年にキャンプの臨時打撃コーチを務めた。09年の高卒ドラ1も明豊では「九州の怪童」の異名を取り、期待をかけられた一人。「見た目はおじいちゃんでしたが、こんなに体が動くのかと。思い出せば、やっぱりコンパクトにキレよく振るということを教えてもらった。あの時、言われたことって大事だなと」。身ぶり手ぶりの熱血指導を仰ぎ、12年には126試合に出場して球界を代表する遊撃手への足がかりをつくった。
藤本監督も2軍打撃コーチに就任したのが11年で「お世話になりました。さみしいですよね。いろいろご飯に連れて行ってもらった。『これ読んどけ!』と、えらい分厚いノートを見せてもらったことも」と述懐。「『選手の尻を叩いて気持ちよく試合に挑ませろ』って言う人。『フリー打撃中は声をかけるな。いい音しとったら状態がいい』とか」と、学んだ指導者としてのイロハを今に生かしている。
チームは連勝で2位に再浮上。今宮は「感謝の気持ちを忘れずにやっていきたい」と言葉をかみしめた。球界に多大な影響を与えたレジェンドの思いを胸に、グランドに立ち続ける。(小松 真也)