球速差50キロ以上の投球を絶賛「マキタのボールに慣れるには時間がかかる」
パドレスの牧田和久投手はメジャー1年目のスプリングトレーニングを終え、29日(日本時間30日)にはいよいよ開幕戦ブルワーズ戦に挑む。オープン戦では8試合に登板し、2勝0敗、防御率4.50。サブマリン投法で注目を集める右腕は、メジャーでも活躍できるのだろうか。パドレスの番記者が33歳のルーキーシーズンを占ってくれた。
「彼は本当に興味深いよ。日本球界では分からないけれど、あんな角度からボールをリリースする選手はメジャーで見たことがなかった。ほとんどマウンドに触れそうなぐらいだ。まさにエンターテイメントだよ。彼は効果的な存在になると思う。誰もがボールを投げる角度に注目している。沈むツーシームから、ストライクゾーン高めに決まるファストボールもある。パワーのある打者にも効果的だと思う。彼はメジャーで成功すると思うよ」
こう語ったのは米メディア「ジ・アスレチック」のデニス・リン記者だった。地元紙「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」で長らくパドレス番を務めていたが、今季から転職。新たなメディアでもパドレス担当として日々、健筆を振るっている。
「緩急という部分も素晴らしいね。50マイル(約81キロ)から82マイル(約132キロ)まで。エリック・ホズマー選手はフリー打撃で対戦したけれど、『あんなライズボールは見たことがない』と驚いていた。打者相手には浮き上がってくると感じている。メジャーの打者は慣れていない。マキタのボールに慣れるまで時間がかかるだろうね」
パドレス指揮官はOP戦で“牧田隠し”貫く「そういうこともあって成功できる」
昨年のWBCで優勝したアメリカ代表のスラッガーで、今季はFAで8年総額1億4400万ドル(約152億円)の大型契約をパドレスと結んだホズマー選手も牧田投手の“魔球"に脱帽していたという。
「監督はまだどの回で使うかは明言していないが、どの状況でも起用できると思う。彼は右打者相手に相性がいいけれど、左打者相手にも投げることができる。ナ・リーグ西地区のチーム相手にはまだ投げていないんだ。監督も同地区のチームには見せないようにしている。なぜなら、一番多く対戦するからね。そういうこともあって成功できると思う。どこまでの数字を収めるかは予想しづらいけれど、すごく興味深い選手だよ」
現役時代に北海道日本ハムでプレーしていたアンディ・グリーン監督は、オープン戦では同地区相手の対戦で“牧田隠し"を貫いた。その浮き上がるボールに、ライバル球団の打者が面食らう可能性は高い。
「すごく性格もいいよ。フレンドリーだし、英語も覚えようと意欲を見せている。みんな彼のことが好きなんじゃないかな。あの性格もクラブハウスの雰囲気にすごくフィットしているよ」
リン記者は、牧田投手の人格面にも“太鼓判"を押す。クラブハウスのみならず、地元メディアから愛されるサブマリン右腕。新天地への適応も順調で、メジャー1年目に巨大なインパクトを与えてくれそうだ。
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