自身の打撃練習を終えてから指導スタート、堀内は「直していきたい」
楽天の秋季練習が14日、楽天生命パーク宮城でスタート。1軍打撃コーチを兼任することが発表された渡辺直人内野手が早速、“コーチデビュー”した。
自身の打撃練習を終えると、打撃ケージの後ろに立ち、各選手の打撃練習を見守った。4年目の今季、チームで最多の52試合でスタメンマスクをかぶった堀内謙伍捕手は「今の打球はいいんじゃないか」などと声をかけてもらい、練習後に「直人さんはどういう意識で練習で打っていますか」と質問。そこから渡辺選手兼任コーチの“打撃講座”が始まった。
堀内は今季、65試合に出場し、打率.156。「打てないとレギュラーにはなれない」と、正捕手の座を掴むためにも打率アップは絶対条件だ。渡辺選手兼任コーチからは打者のタイプとして「打率を残せるように、打率が上がるようにしていく方がいいのではないか」とアドバイスをもらい、「多少、窮屈でも打撃練習からライナー性の当たりを打った方が試合でいい結果が出る」と身振りを交えながら打撃フォームの助言も受けた。21日に右肘のクリーニング手術を受け、来季は万全の状態でレギュラーを狙う堀内は「僕も気になっていたことを言ってもらったので直していきたい」と感謝した。
石井一久GMは「ゲームの中でどういう球に目付けをして、どういうバッティングをして、先の塁に進めていくのかといった戦略を含めてのバッティングコーチでいてほしいと思っている」と期待する役割を説明。この日、就任会見を行った三木肇監督は「プレーヤーとしても頑張ってほしい」とした上で「選手に近い兄貴的存在になるでしょうし、しっかりしている人間なので、いろんな面で力になってくれると期待しかない。僕はイーグルスに来て来年が2年目。まだわからないこともある中、長くここにいる選手がコーチ兼任でやってくれるのは心強い。選手としても目一杯やってもらい、コーチとしても遠慮せず、いろんな意見を言ってもらって、選手にも接してほしい」と話した。
渡辺選手兼任コーチは2006年の大学生・社会人ドラフトで楽天から5位指名を受け、三菱ふそう川崎から入団。中心選手としてファンから愛され、チームメートからの人望も厚かった。10年のシーズン終了後に金銭トレードで横浜へ、13年のシーズン途中に交換トレードで埼玉西武へ移籍。18年から楽天に復帰した。様々な経験を積んできているだけに「野球の難しさを一番、分かっていると思う」と三木監督。プロ14年目となる来季、「コーチ」の肩書きが加わるチームの精神的支柱が果たす役割はさらに大きくなりそうだ。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)
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