売り子の仕事は「予想を遥かに超えて体力的にもメンタル的にもキツかった」
プロ野球界はレギュラーシーズンが終わり、いよいよポストシーズンへと突入していく。セ・リーグは巨人が、パ・リーグは埼玉西武が頂点につき、次は日本シリーズを目指した短期決戦が始まる。ここからの手に汗握る決戦でもファンのお供となるのがビールだ。そして、そこに“華”を添えるのが、10キロを超えるビールのタンクを背負い、スタジアム内で働く各ビールメーカーたちの売り子たちだ。
10月5日からクライマックスシリーズ1stステージを戦う福岡ソフトバンクホークスの本拠地ヤフオクドームで働く売り子たちにも、それぞれに人間模様がある。“美女どころ”と言われる福岡の売り子を紹介する人気企画「福岡発 売り子名鑑2019」。彼女らの奮闘を知っていただき、残すところポストシーズンのみとなった2019年のプロ野球観戦の楽しみとしていただけたら幸いだ。
第14回はキリンビールの「ゆうか」さん、だ。
今年20歳になったばかりの彼女。モデルのトリンドル玲奈さんをイメージさせる美貌を持つ大学2年生で、三塁側外野席、いわゆるビジター応援席を持ち場としている美女売り子だ。
売り子を始めて今季が2年目。「大学に入ってバイトを探す中で、自分を変えたいなと思って。もともと凄く人見知りで初対面の人と話すのが苦手だったんです。人がたくさん集まるドームで、その中で人前に出て働くという経験はほかの仕事ではなかなかできないと思いました」。人見知りな自分を変えたい。そんな思いを胸に秘めて売り子の世界へと飛び込んだ。
10キロを超えるビールのタンクを背負って、スタジアム内を歩き回る売り子業。その過酷さは想像を遥かに超えるものだった。「予想以上にキツかったです。キツいだろうなとは思っていたんですけど、予想を遥かに超えて体力的にもメンタル的にもキツかったですね」。始めた当初は、勤務した翌日には全身筋肉痛に襲われ、動くのにも苦労するほどだった。
「売れない日があると『売れない売れない』と気持ちが沈んで、笑顔が作れなくなっていくんです。そうなると、さらに売れなくなって…」。毎日毎日、販売杯数が発表され、否が応でも周りの売り子と比較になる。ただでさえ、なかなか簡単には売れない始めた当初は精神的にも、かなりキツかったという。
売り子を始めた当初は40杯ほどだった売り上げは、2年目の今季、自己最高で192杯まで伸ばした。売り子の魅力はどこにあるのか。「常連さんが出来た時にはやり甲斐を感じますね。あとは自分をちょっと変えられたかなと思います。人と話すこともちょっとはできるようになりました。そこがやり甲斐ですね」。人見知りだった「ゆうか」さんだが、それも徐々に克服され、積極的にファンとのコミュニケーションも図れるようになってきた。
高校生まではダンスに没頭してきたという彼女。人気ダンス&ボーカルグループ「EXILE」のダンススクールに通い、ライブでバックダンサーを務めた経験もあるという「ゆうか」さん。目前に迫った自己最高200杯の大台超えを目指して、CSでも奮闘する。
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