「何もできないキャプテンを…」 埼玉西武秋山が5打点、頼れる主将が連覇決めた

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2019.9.25(水) 09:04

祝勝会の壇上に立った埼玉西武・秋山翔吾※写真提供:Full-Count(写真:安藤かなみ)
祝勝会の壇上に立った埼玉西武・秋山翔吾※写真提供:Full-Count(写真:安藤かなみ)

21年ぶりのリーグ連覇達成、2回に5試合ぶり打点「やっとというか…」

■埼玉西武 12-4 千葉ロッテ(24日・ZOZOマリン)

 埼玉西武は24日、敵地千葉ロッテ戦に快勝し、23度目のパ・リーグ優勝を決めた。秋山翔吾外野手が24日の千葉ロッテ戦(ZOZOマリン)で5打点を挙げる大暴れで、チームの大勝に貢献。チームを21年ぶり2連覇に導いた。

 2回1死満塁で放った打球は、中堅手・荻野の頭上を越えた。塁を埋めていた全ての走者が、歓声を背に白いベースをそれぞれ踏みながらダイヤモンドを回っていく。3人目の走者・金子侑が本塁を踏むのと同時に自身も三塁に滑り込んだあと、秋山はすっと背筋を伸ばした。ベンチを見やると、チームメートがベンチから乗り出し、満面の笑顔で拳を突き上げている。秋山も拳を突き上げ、喜びを分かち合った。

 秋山にとって5試合ぶりの打点が、大きな追加点となった。「やっとというか、最近何をやっているんだろうと思っていた」と忸怩たる思いを抱いていたが、一振りで吹き飛ばした。6回には1死二塁から右前適時打を放つと、7回には2死満塁から四球を選んだ最後のボールを捕手・田村が弾き、相手の守備が乱れる間にさらに3人の走者が生還。これで埼玉西武は11点目を挙げ、優勝を決定づけるには十分すぎるリードを奪った。

 大逆転のシーズンだった。昨年3番を打ち、打点王に輝いた浅村が楽天にFA移籍。秋山は代わって主将に就任し、慣れ親しんだ1番ではなく3番に座って開幕を迎えた。しかし、思うように打線が機能せず、秋山は5月上旬から1番に座り直し、再びリードオフマンとして躍動した。ワーストとなる借金4をこつこつ返済し、5月下旬にはチームの勝率は5割に復帰。7月上旬には8.5ゲーム差あった首位・福岡ソフトバンクとの差を、夏場に入ってから一気に縮め、9月11日には130試合目にして初の首位に浮上した。19日に優勝へのマジック「9」を点灯させると、追いすがる福岡ソフトバンクとのデッドヒートを制し、逆転で2連覇を決めた。

「キャプテンになったからということではなく、個人としても苦しいシーズンだった」

 主将になっても「やることは変わらない」とシーズン前から口にしていたが、この日の優勝会見では「キャプテンになったからということではなく、個人としても苦しいシーズンだった」と苦しんだ胸中を吐露した。それでも、大一番で今季自己最多の5打点を叩き出してみせた秋山。今シーズンの激闘の中で印象に残った試合を聞かれると、「今日の試合が残りました。ホークスが勝って、(埼玉西武が)負けたら逆マジック。『勝てなかったら……』と思いながら準備をしていたところはあった。勝って胴上げできたので、印象に残っています」と胸を張った。

 この日は祝勝会の中締めに指名されると「何もできないキャプテンを、最後に(壇上に)立たせてもらってありがとうございます」とチームに感謝した。優勝の瞬間は、中堅からやや遅れてマウンドに駆け寄り、チームメートの輪の中に飛び込んだ。潮風と歓声の中で秋山の左胸にはためくキャプテンマークが、これからも続く栄光の予感を受けてきらめいていた。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

記事提供:Full-Count

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