2018年ドラフトは1位指名が競合、近年のドラフト指名をプレイバック
今年は10月17日にドラフト会議が開かれる。昨年は中日に入った根尾昴内野手や、広島の小園海斗内野手などに複数球団から1位指名がかかったが、今年も注目選手に競合することは必至だ。そうなれば、交渉権はくじ引きに委ねられ、敗れた球団らは「外れ1位」を指名することになる。しかしくじ引きで外れても、後に振り返ってみれば大当たりの“外れ1位”も少なくないのだ。今回は直近5年の“外れ1位指名”を振り返る。
今年のルーキーたちが指名された2018年のドラフトでは、阪神、横浜DeNA、巨人、東京ヤクルト、楽天、オリックス、北海道日本ハム、福岡ソフトバンクと、8球団が外れ1位を指名することとなった。
阪神は藤原恭大外野手(千葉ロッテ)、辰己涼介外野手(楽天)と敗れ、近本光司外野手を指名。近本は今季150安打でプロ野球新人安打数で単独5位、盗塁数は33で東京ヤクルト山田哲に並んでリーグトップ、セ・リーグ新人では歴代単独5位と記録ラッシュ。“外れ外れ1位”とは思えない大当たりっぷりだ。
横浜DeNAは小園を指名するも外れ、上茶谷大河投手を指名。今季は23試合を投げて7勝6敗、防御率4.19。6月1日の東京ヤクルト戦では初完封を果たすなど、優勝争いに加わるチームのローテーションの一角を担っている。
さらに福岡ソフトバンクは小園、辰己と敗れて甲斐野央投手を指名。甲斐野は今季61試合に登板し、2勝5敗。25ホールドはリーグ6位タイとなっている。
今年大ブレイクを果たした東京ヤクルト村上宗隆内野手も、2017年ドラフトで清宮幸太郎内野手(北海道日本ハム)が獲得できずの“外れ1位”だった。今季は35本塁打94打点、打率.233と高卒2年目とは思えない大砲っぷり。中西太が持っていた高卒2年目以内の最多打点 や清原和博の31本を超える10代選手の最多本塁打など、記録塗り替えまくった。一方で1シーズン174三振というセ・リーグ記録も更新している。
今になればチームの顔ともいえる選手たちも、外れ1位指名された人が少なくない。2014年に横浜DeNAに指名された山崎康晃投手も、有原航平投手(北海道日本ハム)に外れて指名された。しかしルーキーイヤーの2015年から新人最多の37セーブを挙げる活躍をみせると、今季はプロ野球記録を更新する、新人投手として入団1年目から5年連続公式戦20セーブを達成。現在はリーグトップの30セーブに到達している。
また2013年には巨人が石川歩投手(千葉ロッテ)の獲得に失敗、外れ1位で小林誠司捕手を指名。阪神は大瀬良大地投手(広島)、柿田裕太投手(横浜DeNA)と外れて岩貞祐太投手を指名した。小林はルーキーイヤーからスタメンマスクを被り、レギュラーとして活躍。岩貞は2016年に10勝を挙げるなど活躍している。
このように、ドラフト時の注目度合いでは実際の活躍は測れないことも多い。今年のドラフトでも競合する話題の選手だけでなく、外れて選ばれる掘り出し物選手にも注目してみてほしい。
(Full-Count編集部)
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