元「カンパイガールズ』リーダーで現在は台湾LamiGirlsのメンバーとして活躍
千葉ロッテは今季も、ZOZOマリンスタジアムでの主催ゲームを対象に大好評企画「売り子ペナントレース」を開催。現在は、厳選メンバー5人が、ハイレベルな決勝ラウンドで白熱したを繰り広げている。
昨年はドリンクメニュー(ソフトドリンクも含む)の立ち売り販売をする売り子経験5年以内のメンバーが参加対象となったが、2年目の今年はハンデをつける形で売り子経験年数に関わらず参加が可能となった。勤続年数に応じて、日々の売上げ杯数にボーナスを加算。1年目は1日の売上杯数の150%、2年目は140%、3年目は130%、4年目は120%で、5年目以上はボーナスなしとなり、ソフトドリンク・日本酒の売上げは勤続年数に関わらず200%に設定された。
さらに、月ごとの売上杯数1位の売り子が、9月からの決勝ラウンドに進出する新方式を採用。昨年の88名から一気に110名までアップした参加者の中から、各月の頂点に立った精鋭5人が9月1日から新たな戦いに臨んでいる。「Full-Count」では決勝ラウンドに進出した5人に直撃インタビューし、売り子という仕事に対する思いや情熱を語ってもらった。
最終回となる第5回は、3・4月チャンピオンの、今井さやかさん(アサヒビール)だ。
売り子12年目の“レジェンド”は、2015年から2017年まで球界初の売り子アイドル「カンパイガールズ」のリーダーとして活躍。2018年からは台湾プロ野球ラミゴ・モンキーズの公式チアガール「LamiGirls」のメンバーとして活動し、日本だけでなく台湾でも大きな人気を誇る。
今季、ZOZOマリンで開催された公式戦は皆勤で、月に1回は台湾を訪れて週末3連戦をチアとして活動。9月も合わせれば、今年の台湾訪問は7度となる。「だいぶ慣れて、ちょっと中国語も話せるようになりました。台湾からラミゴファンの方がマリンに来てくださるんですけど、中国語で話すこともできるようになってきました」と、活動の場と同時にコミュニケーションツールも増やしている。
売り子を始めたきっかけは、大学生の時の友達の紹介だという。「千葉ロッテの試合は大学生になる年のオープン戦で1回だけ観に来ていたので、ちょっとやってみようかなという感覚で、軽い気持ちで始めました」と振り返る。当初は焼肉屋のアルバイトと掛け持っていたが、「あまり出勤していないとお客様に忘れられてしまうと気付いて」と売り子に専念。ここからレジェンドへの道が始まった。
就職を考えた時期もあったが、「自分の好きなことをやりたい」という心の声に耳を傾け、焦らず売り子を続けながら将来の道を探ることに。「売り子の仕事が好きだったし、千葉ロッテがすごく大好き」ではあったが、まさか売り子の道にどっぷりハマるとは、本人ですら予想していなかったことかもしれない。「気付いたら12年です」と微笑む顔には充実感が漂う。
売り子を続けるうちに、プロ意識も芽生えた。「この仕事を始めて一番になるには、他の球場の売り子さんも見たいなと思った」と、NPB12球団の本拠球場はもちろん、全国の球場まで自ら足を運んだ。売り子を始めた当初はあまり野球に興味がなかったというが、鴨川や石垣島でのキャンプも訪問。現在は売り子だけでなく、他球場でのアトラクションやサービスにも興味を持つようになった。
12年目を迎えてもなお成長、今年9月1日に自己最高売上げを更新
「LamiGirls」として活動し始めてからは、ZOZOマリンで多くの台湾のファンに声を掛けられるようになった。かつてラミゴに在籍した王柏融選手がプレーする北海道日本ハム戦は特に多いが、「普通の時も結構来てくださります」とうれしそう。ラミゴのユニフォームを着た台湾ファンが率先してビールを買ってくれたり、「野球観戦が一番の理由だと思いますが、私にも会いたいと思ってくださっているようで、インスタで『どこのエリアに行ったら会える?』とコメントをくださることもあります」と、着実にファン層を拡大させている。
反対に、台湾で活動している時は、野球観戦に訪れた千葉ロッテファンの姿を多く見掛けるようになったという。「先月も売り子の友達が6人くらいで見に来てくれたので、ちょっとずつみんな興味を持ってくれてるのかな」と手応えも口にする。昨年に続き、今年も「今井さやかツアー」という観戦ツアーを企画。「それに初めて参加して『台湾楽しい』って思ってくれてた方がリピーターになって増えてくれれば、もっと日本と台湾の良い交流ができるんじゃないかなと思います」と、両国の懸け橋になっている。
現在の目標は「中国語をもっと話せるように」なること。シーズンオフを利用して台湾への留学も計画中だ。「正式な『LamiGirls』になれるんだったらなってみたい」とも話すが、「でも、千葉ロッテを卒業することになるので難しいんですけど……」と心は揺れる。思い切って台湾行きに振り切れないのは、やはりZOZOマリンでのファンとの交流が楽しみだからだ。
「やっぱり『さやかちゃんのビールは他の子よりも冷たくて美味しいよね』と言ってもらえると、やっててよかったなって思います。12年やっていると、小さい子が大きくなって『売り子をやりたい』って言ってくれることもある。例えば、カップルで来ていた方が結婚して、子供ができて、その子供が大きくなって『さやてぃ』って呼んでくれることもあって、そういう成長の過程が見れるのは幸せだなと思います。売り子をやりたいって、お家で練習している小学生もいるんです。リュックの中にいっぱい物を詰めて、コップを持って真似したり(笑)。『カンパイガールズ時代に好きだったから今でも踊ってるよ』って、辞めて2年経ってもダンスの振りを見せてくれると『やって良かったな』と思います」
決勝ラウンドの初日だった9月1日に、自己最多となる431杯を売り上げるなど、12年目を迎えてもなお成長中だ。決勝ラウンドに進出した5人の中で唯一ハンデがつかない。だが、3・4月には3087杯を売上げてチャンピオンに輝いた。決勝ラウンドも「厳しい戦いになるとは思うんですけど、杯数は他の4人には負けない」と闘志を見せる。
「杯数は絶対に一番になるので、最後まで応援お願いします!」
単に12年、売り子を続けてきたわけではない。“レジェンド”と呼ばれる理由をしっかりと見せつける。
(Full-Count編集部)
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