2回に3失点も配球を変更、ルーキーらしからぬ冷静さ
■千葉ロッテ 6-4 オリックス(11日・ZOZOマリン)
千葉ロッテの小島和哉投手が11日、ZOZOマリンで行われたオリックス戦に先発登板。序盤に3点を失ったが、中盤以降は変化球主体の投球でオリックス打線を相手に7回86球、6安打3失点の好投で今季3勝目。本拠地初勝利を挙げた。
試合開始直前から激しさを増した雷雨により、30分遅れの試合開始となった。しかし、先発を任されたルーキー左腕に動揺はなかった。
試合がいつ始まるかわからないという中、ジョギングなどで体を動かしながら待っていた小島。「崩れやすいので、全力で」と初回に意識を集中。自らの強い気持ちを乗せた全力の直球を中心に、その初回を3人で抑えた。
しかし2回、オリックス打線にその直球を早いカウントから狙われた。先頭打者、4番・中川に3球目の直球を左翼線の深い位置に運ばれ二塁打とされると、続く白崎には初球の直球を中前適時打。さらにモヤにも初球、外角のカットボールを左翼スタンドに運ばれる9号2ランで一気に3点を先制された。
この3失点を受けて、バッテリーは配球を変更。「変化球でうまくカウントを取って、まっすぐで仕留める形に切り替えました。田村さんが臨機応変に配球を変えてくれたと思います」。この修正が功を奏し、3回以降は立ち直った小島。自身最長タイの7回6安打3失点。マーティンの2打席連続弾などで、5-3と逆転したリードを守りきり、自身本拠地初勝利を挙げた。
3回以降、ピンチがなかったわけではない。終盤の6回と7回の2度、得点圏に走者を背負った。しかし、小島を冷静にさせたのは、5回まで60球と少なかった球数だった。
「2回の失点は初球を打たれたものだったので、初球から際どいところに投げようと思っていました。いつも思っていることなんですが、(今回は)より一層慎重にと。球数が少なかった分、逆にこういうピンチのところで『球数を使ってもいい』という気持ちで、投げていきました」。
7回終了時で86球。球数を少なく抑えられたことでルーキー左腕の心にゆとりが生まれ、持ち味である低めへの制球力はより冴え、2度のピンチを無失点で切り抜ける結果へと繋がった。
8月14日の敵地北海道日本ハム戦でのプロ初勝利まで5試合を要したが、それ以降は中6日で5試合に登板し3勝1敗、防御率2.90で先発ローテーションに定着。CS圏入りへ向けての大事な終盤で、戦力として十分に力を発揮している。
「落とせない試合が続いているので、1戦必勝で頑張っていきたい」。残り10試合、ルーキーらしからぬ冷静さを持つドラ3左腕は、お立ち台で力強く意気込みを語ると、最後は入団時から希望していた「おじまだよ!」のツッコミを本拠地で初披露。ファンからの拍手に笑顔で応えていた。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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