松本航は明石商後輩100人をを自腹招待→横浜DeNA上茶谷に並ぶ新人最多タイ6勝目「これからもっと」
■埼玉西武 7-3 オリックス(5日・ほっと神戸)
埼玉西武の松本航投手が5日のオリックス戦(ほっと神戸)に先発し、6回7安打2失点で6勝目を挙げた。新人では横浜DeNAの上茶谷に並び最多の勝ち星となった松本航は「上茶谷には負けたくないと思っていた。これからもっと頑張りたい」と柔和な表情に負けん気の強さをにじませた。
この日は独特なワインドアップのフォームをやめ、走者がいない場面でもセットポジションから投球した。「セットの方が感覚がよかったので、練習から取り組んできた」と走者を背負いながらも要所でコースに投げ分け、自己最多の9奪三振を記録した。「指にかかった時にはいいボールが行っていた。もっとその確率を上げたい」と、さらなる精度向上を誓った。
この日は地元・兵庫での凱旋登板。自腹でチケットを購入し母校・明石商の野球部に所属する約100人をスタンドに招待した。15日から行われる秋季大会に向け練習を行っている野球部だが、この日は練習をオフにし総出で同校初のプロ野球選手となった松本航の応援に駆け付けた。今夏の甲子園でも先頭打者弾を放つなど存在感を発揮していた2年の来田は「テレビで見たことはあったけど、生で見るのは初めて。プロのすごい打者相手だけど、松本さんらしいノビのあるボールで抑えてほしい」と目を輝かせた。エースとして同高初の甲子園ベスト4進出に貢献した2年の中森は、松本航が大学4年時に教育実習の一環で野球部の指導に当たった際に、カットボールやツーシームなどの変化球を直接伝授されたことが飛躍につながったとも話した。
スタンドの大応援団の中には、もちろん恩師・狭間監督の姿もあった。松本航の投球を見届けた狭間監督は「後輩の前でしっかり投げてくれた。今日は練習を休みにしてよかった」と力投した右腕の姿に目を細めた。狭間監督について「一緒に戦う姿勢を見せてくれる」と、その情熱溢れる人柄について語っていた松本航。応援団に背中を押され、6勝目をあげた新人右腕は「勝ちにつながる投球ができてよかった」と胸を張った。力投でチームの勝利に貢献した先輩の雄姿が、後輩たちの胸に鮮やかに刻まれたに違いない。
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