オリックス戦で7回途中無失点の快投、外国人投手の8連勝は郭泰源の9連勝に次ぐ記録
■埼玉西武 5-1 オリックス(3日・ほっと神戸)
埼玉西武のザック・ニール投手が3日のオリックス戦(ほっと神戸)に先発し、6回1/3を5安打無失点で投げ切り自身8連勝となる9勝目(1敗)を挙げた。埼玉西武の外国人投手が8連勝するのは1994年に9連勝を記録している郭泰源に次ぐ記録で、ニールが登板した試合はこの日も含めて10連勝。”負けない男”の好投に指揮官も「自分の持ち味を出してくれた」とねぎらった。
いわゆる”きれいなストレート“は投げない。打者の手元で変化するツーシームとチェンジアップ、シンカーで打者の手元を狂わせ、ゴロの山を築いていくのがニールの投球術だ。この日は特にシンカーが冴えわたり「コントロールもよかったし、シンカーの動きがよかった。インコース、アウトコースに投げ分けて勝負することができたよ」と胸を張った。
オリックスとはこの日が今季3度目の対戦。過去2回は6回3失点、5回3失点といまひとつだったが、この日の登板に向け、打者一人一人に対して徹底的に対策を練ってきた。「どう攻めるかを研究してきた。そこをまずはクリアにしてマウンドに上がることができた」と投球術だけではない準備の大切さを説いた。
小野投手コーチも評価「日本の野球に順応してきたことが大きい」
来日1年目のニール。4月2日には来日初先発初勝利を挙げたが、その後は振るわず4月末に2軍落ち。2か月の調整を経て、”負けない男”として帰ってきた。小野投手コーチはニールの変化について「日本の野球に順応してきたことが大きい。初めのうちはクイックなどに慣れず力任せな部分もあったが、うまく緩急を使うようになってきた」とその柔軟性を評価。ミーティングなどでも積極的に発言をしたり、個人的に質問をぶつけたりと日本の野球に馴染むための努力を惜しまなかった。
さらに、2月のキャンプで発覚したコンディションの不安も再調整中に一掃。ピッチングのみに集中できる状態を作り上げたことが、ここまでの安定感に繋がっているという。
「これが自分の本来のピッチングスタイル」と語ったニール。2軍調整中に若手選手たちとコミュニケーションを取るうちに「お疲れさまです」を「オツカレッス!」と自然と話すようになった。9勝目を手にしたこの日も「オツカレッス!」と笑顔で挨拶をしながら帰りのバスに乗りこんだ。
(安藤かなみ / Kanami Ando)
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