8月に入り6カード連続勝ち越し中とここにきて調子を上げてきた埼玉西武と、1厘差で首位を死守し、気の抜けない戦いが続く福岡ソフトバンクの一戦。序盤から岸投手と武田投手の両先発がともに失点を喫し、中盤まで追いつ追われつの展開となった。
初回は両先発が無失点に抑える立ち上がり。好投手同士の対決なだけに、ロースコアでのゲームとなるかと思われたが、2回裏に獅子が試合を動かす。1死から5番・中村選手が二塁打で出塁し、7番・栗山選手の適時二塁打で先制。「ランナーをかえせて良かった」という一打でまずは埼玉西武が先手を奪う。
直後の攻撃で福岡ソフトバンクがすぐさま反撃。先頭の9番・細川選手と2番・本多選手が安打を放つなど、2死満塁の絶好機を迎える。まずは5番・長谷川選手の押し出し四球で同点とし、6番・松田選手の2点適時打でリードを2点に広げる。
しかし6カード連続勝ち越し中と、ここにきてようやく上昇気流をつかんだ埼玉西武は簡単には終わらない。4回に内野ゴロの間に1点を奪い、6回には森選手が適時打を放ち試合を振り出しに戻す。
終盤に突入し、岸投手の球数が120球を超えたところで再び鷹の強力打線が牙をむく。先頭の1番・中村晃選手の二塁打などで好機を生み、ここまで無安打の3番・柳田選手が逆方向への勝ち越し適時打。「とにかくランナーをかえすことだけを考えていた」という集中力を高めた一打で勝ち越しに成功。さらに長谷川選手が勝利にグッと近付く8号2ランを放ち、相手先発・岸投手をノックアウトする。
7回3失点と力投を見せた武田投手の後を受け、2番手・森投手と3番手・サファテ投手がいずれも無失点の好救援。終盤に集中打を浴びせ、勝ち越した福岡ソフトバンクが敵地・西武プリンスで5連勝を飾った。
強力打線が本来の力を取り戻したことで、チームの状態もそれに比例するように上向きつつある。福岡ソフトバンクが一歩抜け出すことができるか、それとも北海道日本ハムがそれを阻止するか。激しい首位争いはまだまだ続いていく。
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