1回1/3を7失点で降板、足りないのは腕を振り切っての「もう一押し」
16日(日本時間17日)のロッキーズ戦で2被弾を含む7安打7失点と炎上し、1回1/3で降板したエンゼルスの大谷翔平選手。ベーブ・ルース氏以来の“二刀流"実現を目指す23歳には、入団前から大きな期待が寄せられていた。キャンプインしてオープン戦を重ねる中で、投打ともに思うような結果が残せず、周囲からは今後を不安視する声が挙がっているが、試合後の会見に臨んだ大谷選手は、目の前の結果に左右されない芯の強さと、現状を客観的に分析する力を感じさせた。
ロッキーズ打線を圧倒した初回から一変、2回は先頭デズモンド選手の左翼へのソロ弾を皮切りに7点を失った。アレナド選手に豪快な3点弾を許した後で1死を奪って降板。乱調の原因について「1イニング目よりしっかり腕を振っていなかった。そこじゃないかなと思います。前回もイニングの入りはよくなかったので、今回もそういう形で出ていたんじゃないかと思います」と分析した。
2回、アイアネッタ選手に死球を当てた後、4本の単打で続かれたが、痛打された当たりは少なく、フワリとした打球が守備の合間を抜ける場面も。大谷選手はこの場面に関しても「間を抜けるような打球は、投げ切っても(バットで)振り切られている部分があるんじゃないかと思う。その“もう一押し"っていうのが、しっかり腕を振ることによって押し切れれば、いい形で2イニング目もできていたんじゃないかと思います」と振り返った。
乱調の中にも手応え「相手よりかは自分のモノ次第」
大谷選手と同じ状況に置かれた場合、期待に応えるためにすぐに結果を出したいと思う選手は多いだろうし、まさかの結果を突きつけられて意気消沈する選手も多いだろう。それでも決して軸がブレることのない23歳右腕は「1回1回本当に勉強」と現実を受け入れ、「良くても悪くても必ず反省するところは出てくると思うので、そういうのを1個1個潰しながら次に向けて練習したいと思います」と、次のステップにつなげることを欠かさない。
その作業が続けられるのも、数字上は苦戦が続くオープン戦でも、本人の中では数字には表れない前進を感じているからだろう。この日の初回に20球を投げたが、打者がバットを振ったのは6球。そのうち4球で空振りを奪った。「投げ切れているボールに関しては、しっかり抑えることもできているので、本当にそこ次第。相手よりかは自分のモノ次第かなと思っています」という言葉は、自信の表れだろう。
エンゼルスのエプラーGMは「まだ完成品じゃない」と、大谷選手は成長過程にある若手有望株であることを強調し、アジャストを焦らせない姿勢を見せている。球団のサポートに応えるためにも、焦らず着実に土台を築くことの方が大事なのかもしれない。
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