入団から11年連続50試合登板をマークする宮西尚生
混戦パ・リーグにあって、首位福岡ソフトバンクと2.5ゲーム差につけている北海道日本ハム。入団から11年連続50試合以上登板をマークし、投手陣のリーダーとしてチームを引っ張る宮西尚生投手。今季もチーム最多の43試合に登板し、12球団トップの34ホールドとフル回転している。09、12、16年と3度の優勝を経験している鉄腕に、残り42試合の戦い方のポイントについて聞いた。
――手術明けのシーズンにも関わらずフル回転しているが、自身の状態は?
「変わらず、それなりかな」
――以前、夏以降が心配と話していたが。
「ここからじゃないかな。1戦1戦、プレッシャーがかかるから」
――佳境に入ってくる優勝争いを戦う上で、リリーフ投手陣として気をつけるべき点は?
「ここからはプレッシャーとの戦い。それをどう乗り越えるかになる。いかに平常心でやれるか。ただ、やられる時は必ずあるので、それを引きずらないこと。打たれたら一気に疲れが出てしまうので。打たれても次のバッター、次の試合という風に切り替えることが大事。そして誰かがカバーする。ここからはチームとしての助け合い、チームワークが必要になってくる」
――打線が取り返してくれたら、打たれた投手も救われる。
「そうなれば、笑い話になるからね。今はなかなか点が入らなくても粘っていて、ゲーム内容は悪くない。あと40何試合、(最終的に)80勝するとして、10何敗かすると思うけど、その負けをいかに、いい負け方にできるか。あとは、ホームでいかに勝ち越せるか」
――ホームでの応援は大きな力になる?
「もちろん。ホームの利はあるよ。ピンチの時の状態、緊張感はビジターとは全然違う。ビジターではどうなるかわからないから、ホームで勝たないと」
栗山監督は失敗してもすぐに挽回のチャンスを……「次の日はプレッシャーがかかるんだけどね(笑)」
――優勝経験のない若い選手たちも頑張っている。
「優勝が見えている中で、よう粘っていると思うし、1回(首位を)抜かしたら、そのまま突き進む勢いがある。ただ、一つのミスで4位まで可能性があるから。まあ、下は見ないけどね。どこが優勝してもおかしくない。ここからは一つのミスが大きくなる。やられた時に引きずらないこと。若いといっても1軍のメンバーは去年と変わっていないし、ある程度はできている。去年大事なところでミスしたことを、今後を乗り越える過程にしてほしい。ミスした後に、思い切ってできるかが大事」
――栗山監督は失敗した後、すぐに挽回のチャンスをくれる。
「次の日はプレッシャーがかかるんだけどね(笑)。監督がそういう経験をさせてくれているので、若い選手は今年、それを身にしないといけない」
――今週末にもまた福岡ソフトバンクとの首位攻防戦が待っている。
「まだ、そこまで切羽詰まっていない。まずは(カードを)勝ち越していくこと。相手は福岡ソフトバンクだけじゃないし、3タテを食らわないことが一番大事。なんとか2勝1敗で勝ち越していけたらいい」
――過去の優勝経験から、今季優勝できそうな雰囲気を感じるか?
「分からない。『16年と似てますか?』とかよく聞かれるけど、似てない。今までにない雰囲気。これからは巡り合わせ、運もあるよね。エースを(上位)4チームのどこにあてられるのか。全部のエースをうちにあてられたら厳しいし、そういう巡り合わせもある。優勝は勢いと実力と運が揃わないと難しい。それをつかむためには、1個1個しっかり隙を見せないようにやっていくことだと思っている」
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)
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