スラッガーの「証」1000打点、中村剛也選手はあと「31」
打点(Run batted in / RBI)は、打者が走者を安打、四死球、犠打、犠飛などで本塁に返した(得点させた)回数をいう。野球は「得点」の多寡によって勝敗が決まる競技であることを考えれば重要な指標だと言えよう。
NPBでは1000打点以上、500点刻みで表彰している。NPBの通算打点5傑は以下の通り。
1王貞治 2170打点
2野村克也 1988打点
3門田博光 1678打点
4張本勲 1676打点
5落合博満 1564打点
2000打点以上は王貞治氏1人。1500打点以上は9人いる。また1000打点以上は44人。現役で1000打点以上は以下の2人。
新井貴浩(広)1279打点
阿部慎之助(巨)1212打点
他に栃木に入団した村田修一氏が1123打点。また昨年限りで引退し、千葉ロッテの監督に就任した井口資仁氏は1017打点を記録していた。
今季中に1000打点到達の可能性がある選手は…
今季、1000打点を記録する可能性があるのは以下の5人。カッコ内は昨年の成績。
中村剛也(西)969打点 残31打点(79打点)
福留孝介(神)926打点 残74打点(79打点)
福浦和也(ロ)924打点 残76打点(18打点)
内川聖一(ソ)886打点 残114打点(50打点)
中島宏之(オ)880打点 残120打点(49打点)
中村剛也選手はフル出場すれば、今季前半にもクリアできそうだ。福留孝介選手にも期待がかかるが、他の3選手は今季中の達成は厳しそうだ。
打点は、打撃タイトル3部門の一つであり、スラッガーの指標として重要視されてきた。チーム貢献度を測る指標として、3部門のうちでも最も重要だという意見もあったが、セイバーメトリクス的には全く評価されていない。セイバーの分野では、「打点」をもとにした指標は全くない。
1000打点は2000安打より希少価値が高い?
打点の中で、自分だけの力で稼げるのは、本塁打によって自らが本塁を踏んだ回数だけだ。他の打点は、塁上に走者がいることが前提になる。出塁率の高い選手が揃うチームにいる打者は有利になるし、打順も中軸の方が有利だとされる。
場合によっては失策が絡んでも打点がつくケースもある。実力以外の要素が多すぎて、公平な指標とは見なされていないのだ。
そのために打点は近年、評価されていないが、そうした「運」や「環境」も、選手を語る要素ではある。同じ本塁打数でも、打点が多い選手の方が貢献度が高いのは明らかだ。
1000打点は、好機に強い長距離打者、スラッガーにとっては、大きな「勲章」であり続ける。通算1000打点は44人しか記録していない。50人が記録した2000本安打より希少価値なのだ。
特に今年8月に35歳になる中村剛也選手は、現時点で1231安打であり、2000本安打は難しい。それだけに1000打点は、大きな節目の記録だと言えるだろう。
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