2000安打に「25」に迫るホークス内川選手
福岡ソフトバンクホークスの内川聖一選手は、あと25本で2000本安打に到達する。しかしこれは内川選手にとって単なる通過点に過ぎない。NPB史上最高の日本人右打者になる可能性を秘めている。
大分県立大分工業高出身。大分工は1948年、93年、2010年に夏の甲子園に出場しているがいずれも初戦敗退。内川選手も甲子園には出場できなかったが、強打の内野手として2000年、ドラフト1巡目で横浜に入団した。
1年目から1軍の試合に出場したが、なかなかレギュラーになれなかった。入団当初は二塁、遊撃を守ったが、2005年には外野も守るようになる。
8年目、26歳の年には一塁に固定され、初めて規定打席に達し、首位打者、最多安打。しかも.378は、右打者のNPB記録だった。
〇右打者のシーズン打率5傑
1内川聖一(横浜).378(2008年 500打数189安打)
2ローズ(横浜).369(1999年 521打数192安打)
3落合博満(ロッテ).367(1985年 460打数169安打)
4広瀬叔功(南海).366(1964年 456打数167安打)
5藤村富美男(大阪).362(1950年 527打数191安打)
7年連続3割、屈指のアベレージヒッターへ
内川選手は26歳にして、並みいる大打者たちを押さえて頂点に立った。以後、7年連続3割をマーク。当代屈指のアベレージヒッターとなる。
2010年オフにFA権を行使して福岡ソフトバンクに。移籍1年目で首位打者となった。両リーグでの首位打者は江藤慎一氏以来2人目だった。
内川選手の打撃は端的に言えば「好球必打」。打てると思えば初球からでも手を出すが、悪球には手を出さない。同僚の柳田悠岐選手や埼玉西武の秋山翔吾選手などのアベレージヒッターが、100個前後の三振数を喫するのに対し、内川選手は50前後が多い。投手にとって最も打ち取りにくい打者になっている。また福岡ソフトバンクという強豪チームに入団したことで打点も増加した。さらにWBCには2009年、2013年、2017年と3度出場している。
2017年は7月に左手母指基節骨尺側基部の剥離骨折と診断され、戦線離脱。規定打席に達しなかった。しかし復帰後、変わらぬ打棒を見せる。
通算打率で落合氏超えの可能性も
以下は4000打数以上の右打者の打撃ランキング。
1ブーマー.317(4451打数1413安打)
2落合博満.311(7627打数2371安打)
3内川聖一.310(6380打数1975安打)
4レオン.308(4667打数1436安打)
5中西太.307(4116打数1262安打)
6長嶋茂雄.305(8094打数2471安打)
7カブレラ.3033 (4510打数1368安打)
8和田一浩.3029(6766打数2050安打)
9ラミレス.301(6708打数2017安打)
10藤村富美男.300(5648打数1694安打)
右打者は左打者よりも不利とされる。4000打数以上の3割打者は24人いるが、右打者では10人。内川選手は歴代の右打者通算打率で3位につけている。今季、500打数で164安打(打率.328)を記録すると通算打率は、史上2位の落合氏の.31087を抜いて.31090となる。
今年8月に36歳となる内川選手だが、衰えは見えない。規定打席到達が8年目26歳と遅かった内川聖一選手だが、遅咲きの大器として歴史的な打者になろうとしている。今季の活躍に注目したい。
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