オープン戦で、今季のローテーションを担う2投手が好投。

パ・リーグ インサイト 吉田貴

2018.3.9(金) 19:19

オリックス・バファローズ 西勇輝投手(左)(C)パーソル パ・リーグTV
オリックス・バファローズ 西勇輝投手(左)(C)パーソル パ・リーグTV

開幕投手最有力候補の西投手はさすがの投球

開幕までちょうど3週間となり、日に日にその重要性を増すオープン戦。オリックス・西投手と、埼玉西武・高木勇投手が開幕に向けて頼もしい投球を見せた。

まずは、ほっと神戸で行われた西投手の投球からだ。前回登板の横浜DeNA戦で3回無失点と結果を残し、開幕投手最有力候補となった西投手は、今日の巨人戦でも圧巻の投球を見せた。

立ち上がりから、西投手は落ち着いた投球を披露。1回表、先頭の陽選手に投じた内角の直球は、バットを折るほどの威力を見せた。持ち味の制球も冴えわたり、直球とスライダー、シュートなどの変化球をコーナーに投げ分け、巨人打線に的を絞らせない。序盤3イニングスを投げて許した安打は単打1本のみと、上々の立ち上がりだった。

4回表、先頭の2番・吉川尚選手の安打で出塁を許したものの、続く巨人打線のクリーンアップをしっかり3人で打ち取った。特に、4番・マギー選手に対しては一度のスイングも許さずに見逃し三振を奪うなど完璧な投球だった。続く5回表も2塁に走者を背負う投球となったが、西投手は落ち着いていた。後続を平凡な当たりに打ち取り、得点を許さず。この回でマウンドを降り、5イニングスを投げて被安打3、4奪三振、無失点。「開幕投手を狙う」という言葉通りの好投だった。

試合後には、「全ての球種でストライクが取れた。直球が高めに浮いてしまったので、修正していきたい。」と振り返った西投手。念願の開幕投手に向けて、大きく前進したと言える内容だろう。

埼玉西武に新加入の高木勇投手は…

次に、巨人にFA移籍した野上投手の人的保障として、今季から埼玉西武の一員となった高木勇投手の投球を振り返りたい。昨年は、先発陣に大きな課題を残した埼玉西武。今年も菊池投手に次ぐ投手の台頭が求められているだけに、開幕ローテーション入りが期待される高木勇投手の投球には大きな注目が集まった。また、偶然にも野上投手は前述した西投手との投げ合いを演じていた。

1回裏、制球に苦しんだ高木勇投手は、2四球で2死1,2塁と得点圏に走者を背負うと、楽天の5番・内田選手に低めの変化球を左前に運ばれて先制を許してしまう。しかし、初回に35球を投じたものの、2回以降は要所を締める粘りの投球。試合を通して、得点を許したのはこの1点のみだった。

本来の決め球であるカットボールがやや抜ける場面があり、それが制球に影響したと考えられるが、カーブ、シュート、フォークといった多彩な変化球でカバー。5回裏には楽天打線を3者凡退に打ち取る好投を見せた。終わってみれば5イニングスを投げて1失点。開幕ローテーション入りに向けて大きな収穫となった。

オープン戦は試合の勝敗よりも選手1人1人の仕上がりや成績が重要であり、今回のようにシーズンを通しての活躍が期待される選手がしっかりと結果を残すことは、チームにとって明るい材料となる。開幕まであとわずかとなった今、各選手がどこまで調子を上げていくことができるか。

記事提供:

パ・リーグ インサイト 吉田貴

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE