広島戦で9回から3者凡退に抑えて今季初セーブ「最後のバッターを抑えた時は気持ち良かった」
■北海道日本ハム 5-4 広島(交流戦・11日・札幌ドーム)
北海道日本ハムの石川直也投手が11日、本拠地広島戦で今季初セーブを挙げた。
1点リードの9回に登板すると、安部を直球で中飛、磯村をフォークで空振り三振、田中広を直球でニゴロに打ち取り、打者3人をわずか7球で簡単に片付けた。プロ5年目で初めて札幌ドームのお立ち台に上がった22歳右腕は「最後のバッターを抑えた時は気持ち良かったです」と笑顔を見せた。
巡ってきたチャンスを逃さなかった。今季12セーブを挙げていた秋吉亮がこの日、右足内側広筋および内転筋の肉離れ(ともに2度)と診断されて1軍選手登録を抹消された。球場入り後にその秋吉から「頼むな」と声をかけられた石川直は「少し心の準備はしていた」と言う。これまでクローザー志望を公言してきただけに「9回を任せてもらってうれしかった」と意気に感じて、最高の結果を出した。
昨季19セーブをマーク。今季はクローザーとして期待されたが、開幕直後の4月5日に2軍降格した。当時は右肩に不安があり、しっかり連投できる状態に戻すことが再調整の狙いの1つだった。約1か月のファーム生活でフォームも修正。「トップをつくれている感覚がある。(ボールを)上から叩けているので、その分回転数も上がっているかなと思います」と5月1日の再昇格後は16試合に登板して1勝11ホールドと結果を積み上げていた。
この日の試合後には「開幕の時と比べて、自信を持って投げられています。バッターの反応を見ても真っすぐでファウルも空振りも取れているので」と好調の要因を自己分析した。今季東京ヤクルトから移籍してクローザーになった秋吉の姿から学ぶこともあった。「タイプは違いますが、マウンドさばきが落ち着いているのは勉強になります」と語る。
お立ち台では、充実感あふれた表情で茶目っ気たっぷりにこう約束した。「いろいろ不安にさせることが多いですけど……。これからはしっかり3人で抑えられるように頑張ります」。正真正銘、自分の力でクローザーの座を勝ち取るつもりだ。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)
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