【試合戦評】劇的な幕切れでゲーム差は「3」。鷹の背を捉える価値ある白星

パ・リーグ インサイト

2016.8.10(水) 00:00

北海道日本ハムは昨日の試合で逆転負けを喫し、4カード連続でカードの初戦を落とす結果に。首位を追うためにも今日は絶対に負けられないところ。対する埼玉西武は6月10日以来、2カ月遠ざかっている連勝を狙っていきたい一戦となった。

埼玉西武は初回、北海道日本ハム先発・新垣投手に対し、2死から3番・森選手が安打で出塁すると、続く4番・メヒア選手の「ポーリーノの勝利のためにガンバルヨ!」という適時二塁打、6番・浅村選手の2点適時二塁打でいきなり3点を奪取する。

埼玉西武先発は、幾度も試合を作りながらも、白星から見放されているポーリーノ投手。初回は打たせて取る投球で無失点。2回に無死満塁というピンチを招いてしまうも、この場面で変化球を多投し、冷静に切り抜ける。

4回表、北海道日本ハム・栗山監督は早々に2番手・榎下投手にスイッチ。走者を出しながらも大野選手が金子侑選手の盗塁を阻止するなどして相手の流れを止めると、直後の攻撃で7番・レアード選手が適時二塁打を放って1点を返し、続く5回裏にも1死満塁の好機で再びレアード選手がフェンス直撃の2点適時二塁打。試合を振り出しに戻す。

6回以降は両軍ともに好投手を惜しげもなく注ぎ込む展開となり、ともに無失点。3対3の同点のまま、試合は延長戦に突入する。

延長10回はどちらも無得点に終わり、迎えた11回裏。先頭の1番・西川選手が死球で出塁し、犠打で進塁。1塁が空いたところで3番・大谷選手は敬遠で歩かされる。ここで4番・中田選手がビデオ判定に持ち込まれる際どい大飛球を放つも、惜しくもファウル。再開後の初球の内角低めへの投球を見逃し、打ち取られてしまう。

球場の雰囲気がやや沈む中、打席に立った5番・田中賢選手が一塁手を強襲する当たりを放つ。この打球が一塁手の後方に転がる間に、2塁走者の俊足・西川選手が一気に本塁へ生還し今季7度目のサヨナラ勝ち。3点ビハインドの苦しい展開で追い付き、延長11回に及ぶ攻防の末に劇的な勝利を飾った。

「しっかり付いていって、最後は逆転して優勝したい」と気を引き締めた田中賢選手。これで首位・福岡ソフトバンクとの差は3ゲーム差となった。再び迎える来週末の本拠地での直接対決へ向け、その差を少しでも縮められるか。北海道日本ハムの熱い戦いから目が離せない。

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