6月2日、ヤフオクドームで行われた福岡ソフトバンクと楽天の3連戦・最終戦は、楽天が序盤に得たリードを守り切り、4対1で勝利。カード3連勝を飾り、パ・リーグ首位で交流戦に向かうこととなった。
楽天は福岡ソフトバンクの先発・スアレス投手の立ち上がりを攻めた。初回、先頭の茂木栄五郎選手が156km/hのストレートを振り抜くと、伸びた打球は右翼席へ刺さり、幸先よく先制。茂木選手は「速いストレートに遅れないように、と思っていました。しっかり捉えることができましたね」と、この第6号ソロを振り返った。
さらに2回表にも、連打と四球、盗塁などで2死2,3塁とすると、9番・堀内謙伍選手がタイムリーツーベースを放ち、3対0に。「インコースのボールにうまく体が反応してくれましたね。結果が残せて良かったです」と述べる女房役が、序盤から先発・美馬学投手に頼もしい援護をプレゼントした。
3点を失った福岡ソフトバンク・スアレス投手は、4回表も満塁の危機を迎え、3.1回5安打3四球で途中降板。「コンディションは悪くなかったです。自分らしいボールもいっていたけど、結果に結びつかなかった。迷惑をかけて申し訳ない」とコメントした。
しかし、スアレス投手の後を受けた松田遼馬投手、椎野新投手が3者連続三振などで楽天打線の追撃を抑えると、打線が意地を見せる。6回裏、ここまで完全投球を続けていた美馬投手のスライダーを、甲斐拓也選手が左翼スタンドへ。「ピッチャーも辛抱して投げてくれているので、打てて良かったです」と語る一発で、1対3と詰め寄った。
ただ、7回裏、楽天・今江年晶選手のエラーから迎えた無死満塁の場面は、高梨雄平投手と青山浩二投手が見事な火消しで福岡ソフトバンクの逆転を許さず。9回表、浅村栄斗選手の犠飛で貴重な1点を加えると、その裏は守護神・松井裕樹投手が無失点で抑え、4対1で試合終了となった。
勝利した楽天の先発・美馬投手は7回途中3安打1失点の好投も、「前半はよかったと思います。味方がエラーしてしまった後に、カバーできない自分が腹立たしいです。次回は絶対抑えます」と力を込めた。敗れた福岡ソフトバンクは、打線がわずか1得点。7回の満塁のチャンスで、楽天の救援陣を打ち崩せなかったことがターニングポイントとなった。
文・今泉友香
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