福岡ソフトバンクに連勝してカード勝ち越しを決め、ゲーム差を4に縮めた北海道日本ハム。楽天に連敗し、先週は1勝5敗と大きく負け越してしまい、望みをつなぐためにも北の大地から巻き返しを図りたい埼玉西武。それぞれの思惑がぶつかる、札幌ドームでの戦いを迎えた。
さらに連勝を伸ばし、首位に少しでも迫りたい北海道日本ハムは初回、埼玉西武先発・岸投手から先頭・西川選手がいきなり安打を放って出塁。その後、2死1,2塁と走者をためて打席に立った5番・田中賢選手が低めの変化球を的確に捉え、先制の適時打を記録する。「いいピッチャーなので、初回から得点できたのは良かった」という一打が飛び出し、まずは北海道日本ハムが先手を取る。
北海道日本ハムのバース投手は、自身6月20日以来の先発。2回までを無失点に抑えるが、3回に埼玉西武の上位打線が襲い掛かる。1死から1番・金子侑選手、2番・秋山選手の連打などで1,2塁の好機を迎えると、4番・メヒア選手がホームラン王争いトップタイとする28号3ランを放ち、逆転に成功。「先発の岸さんを助けたかったので一本打ててよかった」と安どの表情で語った約1カ月ぶりの一発がチームにリードをもたらす。
埼玉西武・岸投手は2回以降すっかり立ち直り、球速以上に速さを感じさせる直球を主体にカーブ、チェンジアップを織り交ぜて相手打線を巧みに翻弄。投球数が120を超えた7回裏にやや疲れが見え始め、2死1,2塁で3番・大谷選手という厳しい局面を迎えるものの、低めにしっかりと制球して中飛に打ち取る。7回1失点と先発としての役割を果たしてマウンドを救援陣に託す。
後を受けた2番手・牧田投手、3番手・増田投手も完璧な救援を見せて反撃を許さず。埼玉西武が北海道日本ハムを相手に逆転勝ちを収め、彼らの首位追撃を足踏みさせた。
クライマックスシリーズ圏内の3位まで15ゲーム以上離されるという厳しい状態が続くが、目の前の試合を勝ち続けるしか、彼らに道はない。2011年も、勝利を重ねて下位から急上昇し、リーグ最終戦でクライマックスシリーズへの切符を勝ち取った。獅子たちは再び、「千尋の谷」から這い上がれるか。
記事提供: