辰己涼介（たつみ・りょうすけ）／外野手

#8／1996年12月27日生まれ
180cm・74kg／右投左打

　兵庫・社高校から立命館大学を経て、2018年のドラフト1位で楽天に入団。大学時代は俊足・強肩を兼ね備える抜群の身体能力を武器に大活躍を見せ、関西学生野球連盟の公式戦で歴代2位となる通算122安打を記録した。大学球界屈指の外野手として2018年のドラフトでは注目選手のひとりとなり、外れ1位ながら4球団が競合。くじ引きを経て楽天が交渉権を獲得し、鳴り物入りでプロの門を叩いた。

　大きな注目を集める中で迎えたオープン戦でも、辰己選手はその実力を存分に発揮。14試合で打率.303という好成績を残し、見事に開幕一軍の切符を勝ち取った。しかし、シーズン開幕後はゴールデンルーキーもプロの壁に苦しむことに。猛打賞を記録した4月7日のオリックス戦を最後に12打数無安打と不振に陥り、その間には二軍落ちも経験していた。

　しかし、5月4日に久々の安打を含む2安打を記録すると、そこから辰己選手の逆襲が始まる。5月6日の埼玉西武戦ではバックスクリーンにプロ入り初本塁打を放って、試合後のお立ち台にも上がった。さらに、5月8日には2018年の『セーブ王』に輝いた福岡ソフトバンク・森唯斗投手から起死回生の逆転サヨナラ打を記録。2試合連続でヒーローとなる見事な活躍を披露し、いよいよその才能をプロの舞台でも証明しつつある。

　ルーキーイヤーは124試合に出場し、打撃は打率.229、出塁率.320と初めてのプロの舞台で奮闘。さらに守備では期待以上のパフォーマンスを見せた。2年目となる2020シーズンは、夏場に打率1割台と不振に陥り、打率こそ.223に終わったが、本塁打は2019年の4本から倍増の8本塁打を放ち、パンチ力を見せた。2021シーズンは、兼ね備えた打撃センス、身体能力、そして強心臓を発揮し、激しいレギュラー争いを勝ち抜きたい。

【2020年一軍成績】
104試合 282打席251打数56安打8本塁打28打点20四球 打率.223 出塁率.286 OPS.664

（2021/1/19 追記）

文・望月遼太

辰己涼介選手をもっとよく知るために。パ・リーグ インサイトの過去の記事

・楽天ドラ1辰己、山崎武司＆松井稼頭央の「7」継承　「チームの顔に」
球団黎明期の主砲として活躍し、2007年には球団史上初の打撃タイトルとなる本塁打王・打点王も獲得した山崎氏と、日米で培った豊富な経験を基にチームを引っ張り、球団史上初のリーグ優勝・日本一にも大きく貢献した松井氏。球団のレジェンド2人が背負ってきた背番号を受け継いだ辰己選手は、その背番号の重みも十二分に認識しているようだ。

・楽天ドラ1辰己、初物尽くしの初スタメン「楽しかった。チームに貢献できている」
プロ初スタメンとなった3月31日の千葉ロッテ戦は、辰己選手にとってプロ初安打、初打点、初盗塁、初得点を達成する記録ずくめの試合となった。「『初』ということに関しては、なんとも思っていないです」と語ったゴールデンルーキーは、両親に贈るという初安打の記念球についても語ってくれた。

・ルーキー・辰己涼介選手が初サヨナラ打！　楽天が最大7点差を大逆転勝利
この試合で楽天は4回表までに7点を奪われ、かなり苦しい試合展開となっていた。しかし、そこから楽天打線が猛烈な追い上げを見せて9回1死の時点で1点差まで迫ると、辰己選手が鮮やかなバッティングで試合を決めた。3安打猛打賞の活躍でチームを勝利に導いたルーキーが、改めてその高い能力を示した一戦となった。

・楽天・辰己涼介「まだまだ未熟かなと…… 」外野手部門2位（全体3位）「パーソル パ・リーグTV ベストグラブ賞2019」受賞コメント
ファンが選ぶ今季の守備職人を選出するこの企画で全体3位、外野手部門で2位の得票を獲得した辰己選手。ルーキーらしからぬスーパープレーで何度もチームを救った。

☆辰己涼介選手の動画はこちらから！