東京ヤクルト時代から対パ・リーグには自信「相手が嫌がるのがあった」
昨オフに東京ヤクルトからトレード移籍した北海道日本ハムの秋吉亮投手が、新天地でクローザーの座をがっちりとつかんでいる。
開幕当初はセットアッパーとしてスタートしたが、4月中旬からクローザーに定着。ここまで14試合に登板して、0勝1敗4ホールド6セーブ、防御率1.88の好成績だ。失点は4月23日楽天戦でウィーラーに勝ち越し3ランを許した時の3点だけ。ほかの13試合はいずれも無失点に抑えている。
これだけの安定感を誇っても、秋吉自身に好調の自覚はないという。「今はそれほど良い感覚でもないですけど、悪い時でも抑えることが仕事。悪いなりにでも、今までやってきた経験があるので」。東京ヤクルト時代の5年間で283試合に登板し、修羅場をくぐり抜けた経験が生きている。
パ・リーグを主戦場とすることに戸惑いはなかった。過去の交流戦での対戦で「相手が嫌がるのがあった」と手応えを得ていたからだ。「パ・リーグは真っすぐに強いバッターが多い。変化球でストライクが取れることが大きい」と有利なカウントで勝負ができているのが、好投が続く要因だ。
ここ2年間は右肩痛で思うように投げられなかった。入団から3年連続60試合以上登板して防御率2点台前半の成績を残したが、一昨年は43試合(防御率3.35)、昨年は35試合(防御率4.23)の登板にとどまった。今年1月の自主トレ公開では「一からスタートの気持ち。下からはい上がっていきたい」と新天地に懸ける思いを語っていた。
今季クローザーを任されることになるとは「思ってもいなかった」というのは素直な思いだろう。だからこそ「うれしいですし、結果を出していきたい」と意気込む。右肩のコンディションは良好。「去年は腕を振れない感じで投げていましたが、今年はしっかり投げられている」と自信を持って腕を振り続ける。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)
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